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最近読んで面白かった本を軽くまとめる:8/16~/31

こんばんは。あんどーなつです。
遅くなりましたが8月後半に読んで面白かった本をまとめます。

1冊目は、ESで書く内容に悩んでいる就活生と新社会人の方に。
2冊目は、人間関係にちょっと疲れてしまった学生さんや社会人の方に。
3冊目は、自分はどう生きたいのかちょっと分からなくなってしまった方に、おすすめです。

「どこでも誰とでも働ける」 尾張和啓

「モチベーション革命」の著者が、どんな場所でもどんな人でもうまく仕事をするために必要な考え方や振る舞い方を解説した1冊です。

この本を読んだのは、インターンやらアルバイトやらを通して、「誰とでも上手にコミュニケーションをとれる能力ってめっちゃ大事じゃん!」とつくづく感じるようになったからです。ある人との付き合い方に困っていたときに、ふとこの本の存在を思い出したので読みました。

45個の考え方が紹介されていますが、私が特に大事だとおもったのは以下の2点です。

1. 自分からギブすること
2. 自分の仕事を自分の言葉で説明できるようになること

まず、尾原さんは、自分からギブすることの大切さを語ります。本書の最初の項目が「自分からギブすることがインターネット時代の大前提」であることからも、それが伺えます。

ぼくは、「ギブ&テイク」ではなく、さらに一歩進めて、「ギブギブギブギブギブ&テイク」でちょうどよいと思っています。見返りを求めることなく、自分のもっているスキルを惜しげもなく提供することで、新しい経験を仕入れることができるからです。

尾原さん曰く、圧倒的にギブすることができれば、新しい経験の他にも、新しいスキルや人脈、ブランドが手に入るそうです。

ここまでの話は、尾原さんのTwitterや著作を読んでいると既に知っている内容なので真新しくないのですが、次の指摘は斬新で面白いなと思いました。

もしあなたが新しい職場に馴染みにくいと感じるとしたら、それは自分で勝手に「壁」をつくっているだけではないでしょうか?その「壁」を壊すのは簡単です。ひたすら相手のためになることをギブし続けること。これさえできれば、本当に「どこでも誰とでも」働けます。

この指摘から私が考えたのは、ギブすることはすなわち、自分を信頼してもらうきっかけを作るための、ある種の自己開示なのではないか?ということです。相手にギブすることを通して、自分はこんなことができます!こんな風に物事を考えます!ということを伝えられるのがギブの本質なのではないかと思ったのです。

仕事をするうえで、チームのメンバーが問題をどのように捉え解決しようとしているのかを知ったり、そもそもどんな性格でどんな考え方の傾向が強いのかを把握することは重要だと思います。
通常であれば、仕事をしながら徐々にそれらのことを知っていくわけですが、圧倒的にギブをすることでその時間を短くできるのかもしれません。

ギブは自己紹介の1つなのかもしれません。初対面の人に自己紹介をしない人はいないように、初めて会う人や付き合いの浅い人にこそギブをしていくべきなのかもしれませんね。

次に、私が大事だと考えたのは「アカウンタビリティ」です。尾原さんはアカウンタビリティについて以下のように述べています。

医師や弁護士、会計士と違って、国家資格や免許もなければ、職業倫理規定もないコンサルタントは、自分で自分を律するだけでなく、自分の仕事を自分の言葉でクライアントに説明できなければ成り立たない、というのが僕の考えです。
ひと口にクライアントといっても、そこにはいろいろな社員の方々がいらっしゃっいます。すべての方に、ぼくらのがんばりが見えているわけではありません。ですから、アカウンタビリティの形も1つではなく、相手に合わせて変えていく必要があります。
なぜそこまでするのかというと、結局、アカウンタビリティというのは、相手の方次第で決まるからです。自分の都合ではなく、受け取る人に合わせてストーリーを作らないと、説明責任を果たしたことになりません。

このアカウンタビリティに関する考えからも、「相手にギブする」精神がみてとれると思います。自分はこれだけの成果をだしたかを相手にとって分かりやすく説明することも、ギブの1つなのだと思います。

今回、上記の2つを特に取り上げたのは、仕事をするには「相手」を意識することが最も重要だと考えたからです。恥ずかしながら、私は最近になってやっと、社会には色々な考えの人がいることを理解しましたが、相手の立場にたって考えることは未だにできていません。

同じような経験を就活生や新社会人の方は、する(もしくは、経験した)と思います。その際に困ったな~と思ったら、ぜひ読んでみてください!

気になったら↓


広く弱くつながって生きる 佐々木俊尚

企業に縛られる働き方、ひいては深くて狭くて濃い人間関係から卒業して、「浅く、広く、弱く」つながって働いて生きていこうよ!というメッセージの本です。

現在は会社員の副業禁止規定がわりあい緩くなってきたため、会社員かフリーランスかという二者択一もなくなっていくかも知れません。しかし、どちらにしても会社以外の仕事をする場合、新たな人間関係をどう構築するか学んでおく必要があります。
群れに埋もれることも、一匹狼になることもなく生きるにはどうすればいいのか。そう考えたとき、これからは何らかの組織に依存するのではなく、個別の関係を積み重ねていくという方向性になっていくと思います。

本書はこのような語り口で始まります。会社以外に、個人的なコミュニティをつくる方法や、コミュニティ内での人づきあいのコツが説明されています。

面白いなと思った考え方を2つ紹介しようと思います。
まずは、新しいコミュニティをつくるのが面倒だなと思う人に朗報な考え方です。

それでも外にでるには、メソッドかするしかありません。「遊び」と思うから、そんなダルイことをせずに家でゴロゴロしていたいと思ってしまいます。
そこで、外に出たり、遊びに行くのも仕事だと思うのです。人間関係を広げたり、知らない世界に足を踏み入れる「インプット」という仕事です。
お金になることだけを「仕事」と定義する必要はありません。一定の辛さを伴わなければ、仕事でないと考える必要もありません。
ただ楽しいだけのことは、遊びや息抜きのようで罪悪感を覚える人すらいます。しかし、インプットを考えれば、それはちゃんと仕事です。休日のインプットと、平日のアウトプット。両輪で仕事がなりたっているという感覚をもってください。

要は、休日に「仕事」を口実にして遊びに行っちゃになよ!ということです。この考え方の本質は、好きなことをしているからストレスフリーということではなく、自分と価値観が似ている人に出会いやすいことだと私は考えています。

自分が好きな物事を好きな人とは、しゃべる内容に困りません。好きな物事について語ればいいのですから。そのおしゃべりを通して人となりが分かって、人となりも気に入ったなら、趣味のお友達としてゆるーく付き合っていけばいいのです。このゆるい活動を「仕事」としてみなす、というこの考え方を気楽でいいなーと私は気に入っています。

もう1つ面白いなと思った考えは、自分の性格は友人関係に表れるという考え方です。

自分というのはしょせん鏡のようなもので、自分(個人)だけ見てもその人となりは分かりません。どんな人間と関係を築いているのかによって、鏡のように自分自身が逆反射されて見えてくるのです。
したがって、自分が高みにいると自信を持つ人より、自分にはまったく自信がなくても、周囲の人間に恵まれている人の方がずっと魅力的です。

見も蓋もない言い方をすれば、素敵な人を選んで付き合いなさい、ということなのですが、その潔さが気に入っています。
会社に属していると、好き嫌いに関わらず付き合わなければならない人がいます。しかし、個人的なつながりでは、そのしがらみから解放されていいんだよという考えに元気がでませんか?

著者は、具体的には以下のような人とは距離を置きなさいと述べています。

1. 自慢ばかりしている人
2. 誰かと知り合いなのを自慢する人
3. 自分にばかりベクトルが向いている人
4. 人の悪口や何に対しても文句ばかり言う人
5. お説教の多い人
6. 物事を損得で考える人(得になりそうなので近づいてくる人)
7. 業界内の話しかしない人

自分にとって素敵な人が分からない場合は、これを参考にしながら付き合いたくない人の条件リストをつくってみるといいかもしれません。

この本は優しい言葉で、ページ数は少なめに、個人的な人間関係をよくする考え方が紹介されています。
人付き合いにつかれてしまったときに、ココア片手にでも、ぜひ読んでみてください!元気がでます!

気になったら↓

マチネの終わりに 平野啓一郎

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者でバリキャリ美人な洋子(40)、という大人の2人の恋愛小説…と読んでもいいのですが、個人的には35歳を過ぎて改めて自分はどう生きたいのだろうか?と立場の異なる大人3人が己の人生を見つめ直した小説だと思いました。

この小説は、主人公の蒔野とヒロインの洋子、主人公のマネージャーの三谷の3人の視点からつづられています。小説の1つのテーマであり、重要なキーワードとなるのが「主役の人生」という考え方です。この言葉は、洋子が友人(三谷の共通の友人)と話している際に登場します。

友人「みんな、自分の人生の主役になりたいって考える。それで、苦しんでる。自分もずっとそうだったけど、今はもう違う。蒔野さんの担当になった時、わたしはこの人が主役の人生の“名脇役”になりたいって、心から思ったって、そう言うの。」

洋子「名脇役?」

友人「そう。役者だって、主役向きの人もいれば、脇役向きの人もいるでしょう? 彼女は、どんなに想像してみても、自分が主演を務める人生には、ドキドキしないんだって。『三谷早苗の伝記映画なんて、誰が見に行きます? でも、蒔野さんの伝記なら見たいでしょう? そこには、三谷早苗っていう登場人物は欠かせないんです。それって、すごくないですか?』って。
彼女は、蒔野さんが主演を務める人生に、ずっと、すごく重要な脇役としてキャスティングされ続けるなら、自分の人生はきっと充実したものになるって言うの。考えただけでも胸が躍る。だから、蒔野さんのためなら何だってできるって。――面喰らっちゃった、わたし。」

洋子「そういう考え方って、……あるのね。ドキッとさせられるわね、ちょっと。」

友人「洋子のことも言ってた。」

洋子「わたしのこと?」

友人「例としてね。女だからそう思うわけじゃない。洋子さんみたいな人は、自分の人生の中で、十分主役として輝けるんでしょうけど、わたしはそうじゃないって。彼女の自己評価はともかく、洋子は確かにそうねって同意しておいた。」

洋子はこの会話をきっかけにして、「自分は一体、蒔野のために何が出来るのだろうか? 自分の彼への愛の実質とは何なのだろうか」と自問自答し始めます。

この洋子の問いかけは、女性は非常に共感できるのではないでしょうか?たとえば、夫が海外に転勤することになったけれど、自分も働いていてできるものなら仕事を辞めたくない。けれど、夫を支えたいという気持ちも同じくらいにある…というときに、自分の「人生の主役」は誰なのだろう?と考えたくなると思うのです。

自分のキャリアを諦め、家庭にはいって、人生の主人公を夫に譲るのか、夫には単身赴任してもらいあくまで自分の人生の主人公を続けるのか、と悩む人は多いのではないでしょうか?

洋子と三谷はそれぞれ自分なりに人生の主役を決めて生きていくのですが、それをいうとオチがバレるので秘密にしておきます。

仕事にも慣れてきたし、プライベートもぼちぼち充実している、けれど、どんな人生を送りたいのかよく分からなくなってきたという人はぜひ読んでみてください!公式noteにて無料で読むこともできます。

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~Fin~



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