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#旅

寝る前のメモ。

少し前までは覚えていたのだけれど、5月16日は「旅の日」でした。松尾芭蕉が奥の細道に旅立った日(陰暦元禄2年3月27日)ということで定められているそうです。 だからどうしたのだ、というところなのだけど、このシーズンになると旅に出たくなるのは生き物として至極当然だ!と、自分自身を正当化してしまいそうになる。五感を通じて異国の風を浴びるのは、一体いつになることやら。 ただ、ひとつ思うのは、今しかできない旅や新しい旅を開発するチャンスでもあって。今日から無印良品のBGM配信がス

寝る前のメモ。

昨日書いていた鞆の浦につづき、ずっと訪れてみたかった福岡県八女市。まちを訪れたかったというよりも、地域文化商社をうたう「うなぎの寝床」さんが目的地でした。 歴史的な建造物が並ぶ福島エリアを中心に巡っていたのだけれど、まち並みに違いを感じたのは妻入りの屋根が続いていたからだと、今更ながらに気づきました。(旧丹波亀山城下町は京都市内(都)の影響を受けているので、平入り状のものを多く見かけます。田舎に行けば妻入り屋根の農家住宅が増えます) さて、話をもとに戻そうか、そろそろ私も

寝る前のメモ。

少し前に訪れた鞆の浦は「崖の上のポニョ」のモデルとなった場所として知られている。現にわたしも「鞆の浦」という地名を知ったのは、ポニョがきっかけだったんじゃないかな。 歴史をさらっと眺めてみると、万葉集には「鞆の浦」を詠んだ歌が八首あるようで、すでにその頃から人の行き交いはあったとのこと。古来より潮待ちの港として栄え、北前船だけでなく、朝鮮通信使、琉球使節、オランダ商館長の一行などが入港した歴史もあるそう。 戦国時代には、織田信長に追放された足利義昭が拠点を構えたり、江戸時

寝る前のメモ。

旅に出たい気持ちは、一年経っても忘れることなく持ちつづけている。むしろ、その気持ちが一番の原動力で、それに向けてありったけの地元をかき集めている。いつか、旅をすることも仕事の一部になるように。 どれだけテクノロジーが進化しようとも、便利な世の中になろうとも、旅をすることの魅力だけはずっと変わらないと思うから。

寝る前のメモ。

今日のイベントで、鴨さん、高橋さんがおっしゃっていたように、意図しない何かに巻き込まれたり、太刀打ちできない圧倒的な存在に出会ったりすることで、むき出しの自己を知り、リセットするのがこれまでの「旅」だとすると、この一年は身近なところを発見する「旅」だったんだなと。 仕事を進めながらラジオのように聴かせていただきましたが、「やっぱり旅はいいよね。旅に出たくなるね」と、ちょっとだけ心がほぐれたような気がしています。 1年以上前に考え方をシフトして(せざるを得なくて)、行けなか

寝る前のメモ。

何かを伝えたい時に思想や哲学だけでは一方通行になってしまうので、それを双方向や多面的にするのがメディアやデザイン、クリエイティブの役割なんだと改めて感じる滞在でした。 風景や空間をはじめ、文章やプロダクトについても、ちゃんと宿っているところはいつだってすーっと心地がいいものなんだと思う。その辺りの共通項や正体を知りたくて、国外を旅しようと思っていた矢先でしたが、近くにもたくさん発見があることを思い出させてくれる一年だったのかなと思います。 年度末の慌ただしいタイミングでは

風景をつくる人をつくる風景。

自然、建築、標識、看板、信号、公園、路上、そして、道ゆく人々 --。 はじめてのまちを巡るとき、意識的に、あるいは無意識のうちに、この辺りについてをよく観察するようになった。その場に身を投じたときに、感覚的に惹かれるものごとが、私自身が「いい」と感じる風景だから。 何を基準にして「いい」と感じるか、その比較対象はいつだって地元。いや、正確にはいつの間にか地元になっていた。もっとこんな風景が見れたら、こんな日常を目にしたら、私たちはもう少し地元のことを好きになれるのかもしれ

寝る前のメモ。

やっぱりどうしても、平熱が徐々にあがっていく感覚があるのだけれど、いまはもう、仕方ないのかもしれないな。5年前に観光プランを考えたときから、ずっとこの時を待っていたようなものだから。 何をどう足掻いてもこの状況なので、このプロジェクトを進めるにあたり、当初想定していたように外国から人を呼ぶのは、当面の間むずかしい。日本のインバウンドを牽引されている「星野リゾート」の星野代表ですら、そのようにお話をされているので、“訪日旅行者を見込んだ” 文脈ではなかなか動けない。(もちろん

寝る前のメモ。

昨年の8月に、この川の側を歩いた頃は、まさかそんな話になるとは想像もしていなかったし、こんなことになるなら、あの時もっと注意深く観察しておけばよかったなぁ・・と少々悔やんでいる。でも、だからこそ、次の滞在が楽しみになるわけだし、そういう意味では、これでよかったのかもしれない。 現在読み進めている『エコロジカル・デモクラシー』のようなことに興味をもったのは、いまに始まったことではない。大学の頃も、都市計画の授業では「クラインガルテン」を調べていたし、あらゆる・・(多少含みはあ

それでもわたしは「旅」をしたい。

地元・亀岡でコミュニティ・ツーリズム(Community-based Tourism)の基盤づくりを進めている私たちにとっても、厳しい状況であることは変わりないのだけれど、いまは先を見据えて動いていくしかありません。 むしろ、この状況下で提供できる「旅」の要素を洗い出してプログラム化し、現地を訪れなければ得られない「体験」や「出会い」へとつなげていくことが、この1年で取り組んでいくべきことなのだと思っています。 亀岡市は、京都市の西側に位置しており、JR京都駅から快速電車

寝る前のメモ。

あれやこれやとオンライン化が進むいまだから、「オンラインではできないこと」についても少しだけ敏感になっていたい。突き詰めていけば、どれだけ世の中が便利になったとしても、それはきっとデジタルで代替することができないものだから。 そう考えると、人の五感を刺激する体験は、現地へ行くことでしか手に入らないものなので、そういうところに「旅」の醍醐味を感じている人たちとは、コロナが明けたらきっと再会できる。(思わず「再会」という言葉を選んだのは、2020年に共通の厳しい経験をしてきた私

寝る前のメモ。

この、如何しようもない状況が収まったら・・・ということを日々想像しているし、それを見据えて仕事をしている。一方で、この状況が1,2年ほど続くかもしれないことも、少なからずあたまの片隅に置いている。(その場合は最悪のシナリオか、と言えばそうではなくて、エディブルガーデンの整備やストップモーションアニメーションなど、やってみたいことは尽きない) どちらかと言えば楽観的なほうなので、コロナをきっかけに働き方や暮らしを考える人や、旅に行けないフラストレーションがたまった人たちが増え

寝る前のメモ。

分野もテイストも違う本をそれぞれ、すこしずつ読み進めていく。わたしみたいにつまみ食いを好む人間にとっては、そういう読み方がちょうどいい。 ‪どんなに科学が発展しても、テクノロジーが進んでも明日という未来を確実に知ることはできない。明日を手探りするときに、振り返れば間違いなく存在したものがある。変化が激しければ激しいほど昨日は明日への目印になる。 ‪塩野米松著『失われた手仕事の思想』まえがきより。 まだ見ぬ明日について “こうなるだろう” という予測をたてることはできても、

寝る前のメモ。

「冬場がね、一番稼ぎどき。タクシーの運転と除雪の仕事があるからさ」 タクシーの運転手が、聞いてもいないことをどんどん話してくれる。 「先日は大阪から来た50代ぐらいの女性グループを乗せてたんだけどさ、今度はユーミンのライブの時に来るらしいよ。大阪の人は話してるだけで面白いね」 「昔は黒部のほうで働いていたんだけどさ、俺らは土方の服装だからトロッコ電車は顔パスだったんだよ。裏ルートっていってね、何度も遊びに行ったわけよ」 泊まり先へ向かうまでのなんでもない会話でさえ、こ