「学校英語教育も - 英語漬けも - 語学留学も?」意外と知られていない誤解や現実から学べる英会話習得のヒント
目次:①第二回 - どうすれば日本人は英語を話せるようになるのか?
-日本人が英語を話せないのは日本の英語教育のせい?
-英語を話す環境に住んでも留学しても話せるようにならない
②あとがき
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①どうすれば日本人は英語を話せるようになるのか?
(連載2回目は、序文P14-P25までが範囲)
「日本人は英語が話せない」?
「日本人は英語が話せない」という話はよく聞きますよね。(話せるはずの基礎があるのに!)学校で何年も勉強してきて、勤勉で、実は結構「英語が好きだったりする」わたしたち。
「日本人は英語が話せない」というイメージは国内だけにとどまらず、海外でもそのイメージがあるようですが、ロビンスさん(著者)が私がいつも感じていたことを指摘してくれました。
「学校教育で話せないのは日本人だけじゃないよ、話せないことは特別なことではないよ」ということです。
学校教育が話すための教育ではないのはどこも似たようなものですが、実際に話すための教育を、公立の学校だけでするのは不可能に近いことです。
第二言語の習得を生徒にさせることに成功している学校は、カリキュラム自体が全くちがいます。第二言語を本当に必要とする人数が少ない地域でそれをすることは難しいですよね。
なので、学校に期待しすぎること自体が「的外れ」です。他人任せの語学学習では話せるようになりません。
このことに早く気が付けば、自分が主体となって自分の英語教育をはじめることができ、話すことを目的とした学習にとりかかれます。
そしてもう一つとりあげたいのが英語漬けの環境があれば話せるようになるのか?「英語を話す環境に住んでも、例え留学したとしても話せるようになるとは限らないという現実」に関してです。
現実を受け入れて、地に足の着いた学習をしていきましょう。
6年から10年間「学校で英語を勉強」しても話せるようになるわけではない。
「スペイン語を学校で10年勉強したけど話せない。」
聞いたことのある話ですよね。私たちと同じです。学校で長年外国語を勉強しても話せないのは日本人に限ったことではありません。アメリカでも多くの人がこの状態です。学校教育だけで話せるようになる人は一体どれだけいるでしょうか?
私もアメリカに住み、いろいろな人たちと出会いました。二か国語以上ペラペラな人たちもいれば、ちょっとわかる程度の人。母国語しか話さない人。
NYは多国籍なだけあって、「英語+家族が話している言語」というコースがありますが、そんなバイリンガル環境にいたとしても「第二言語のきちんとした習得」は簡単ではありません。
そんな、一見恵まれた環境にある人でさえ努力が必要なのに、学校で少しの時間をさいて机でする勉強をしただけで話せるようになるわけがないですよね。
学校教育が改善されていくのは大歓迎ですが、自分が話せないことを学校教育のせいだけにするのはやめましょう。
第二言語の習得が簡単ではないのは日本人だけではありません。
少し話せるけど、もっと流ちょうになりたい、ネイティブのように話したいと感じているひとたちはたくさんいます。
私も、こちらに住む他の外国人たちに「どうやってその英語を身に着けたのか教えて」と時々聞かれるのですが、英語をもっと流ちょうに話せるようになりたいと感じるのも日本人だけではなくて、「世界中の英語を話したい人たち」がアクセントのトレーニングを受けたり、英会話レッスンを受けていることを考えると、日本だけの問題ではないことがわかりますね。
学校教育だけで話せないのも、流ちょうに英語を話したいと願っているのも、日本人に限ったことではなく、特別なことではありません。
でも日本国内で、「どうして日本人は英語が話せないのか?」と、まるで日本人だけが英語が苦手みたいな方向で考える傾向があるので、それはやめましょう。むしろ、話す準備はできている人たちが多い国です。
それでも「英語が話せない日本人」というレッテルを海外で貼られる理由はいくつかあります。それは学校の勉強とはちょっと違うところにあって、日本人の性質や日本語という言語のつくり、そして文化背景もあるでしょう。
そして、英語を話せるようになるには、学校教育以外での話す訓練や会話のための勉強が必要です。それが子供でも大人でも変わりません。
英語を話す環境に住んでも留学しても話せるようになるとは限らない。
専門学校や英会話学校にいっても、英語を話せるようにならなかったけど、さすがに語学留学したら話せるようになるだろう。と
期待を胸に海外へ旅立ちます。日本の家族や友達の期待は大きいものです。
「留学したのね、もう英語ペラペラでしょ。」
「海外に住んでいるの?英語が話せていいわね。ちょっと話してみて。」
海外経験のない家族や友達、特に英語が話せない人たちにとって、あなたはもう「ネイティブと互角にやりあっているレベル」にさえ感じられます。話すことには不自由なく、日本で日本の友達と語らうように、英語圏で地元のネイティブと和気あいあいしているイメージです。
「英語を話せる人として期待されているプレッシャー」が多少あるとは、日本にいたときは想像できませんでした。現に、私自身は留学とかはしなかったので、留学した人やワーキングホリデーに行った友達がいると聞けば、「いいなぁ、みんな英語がもう話せるんだ。1年行けば話せるのに、私は日本にいながら」、一体何年かかって英語が話せるようになるのだろう。。」と考えたものです。
確かに、留学すれば、海外に住めば、英語である程度のコミュニケーションは必須ですし、渡航前に英語の勉強をしているので、ある意味では話せるということになるでしょう。
でもここで強調したいのは、それほどでもないよということです。英語力の点でもひとそれぞれで、満足に話せるようにならない人が多いのが現実です。そして、1年住んでいても20年住んでいても、英語のレベルは年数だけでは測れません。
ロビンスさんがいっているように、英語漬けの生活に身を置くことで英語を話せるようになるわけではなくて、その環境下でのあなた努力にかかっているのです。ただ英語漬けになるだけでは話せるようになりません。
そう簡単に話せるようにならないという事実。
でも逆を言えば、「日本に住んでいても、海外に住んでいる日本人より英語を流ちょうに操ることだって可能」だということにも気づいてください。この連載を始めた最初のテーマにあるように、日本人は英語を話せる基礎があります。
ここで是非強調しておきたいのが、留学しなくても英語は話せるようになる!ということです。
私もそうでしたが、留学できる環境にない英語学習者の方が多いですよね。それでも、英語を話せるようになって成功している人は沢山います。
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②あとがき
序文にこんな言葉がありました。
教育関係の仕事の難しさってありますよね。直接英語教育に関係があるわけではないのですが、森絵都さんの「みかづき」も思い出しました。
どんな分野でも教育という仕事にたどりついたひとは、「一教師」対「一人の生徒」という人間対人間の原点にもどることが大切ですが、そうもいっていられない環境もあるでしょう。
ビジネスの方が先行して、生徒一人一人の成長にはあまり関心がないことが多く、それが普通のことになっています。でもそれが悪いかというと、逆にビジネスだからこそ提供できることもありますので、使い方次第です。
だからこそ、選ぶ側の意識だったりが必要ですし、ビジネス第一のスクールならそれなりの利用法があるので、そこは賢く使うのがよいと思います。
私は小さく濃くすすんでいきたいです☆
「どうすれば日本人は英語を話せるようになるのか?」連載2本目でした!
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次回は「英語を話す能力つぶしてきた二つの障害 - 文法の分析癖とカタカナ英語」です。カタカナ英語にも良い面と悪い面があります。
それでは次回、連載3回目でお会いしましょう♡
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