スコール

予想以上の雨に打たれて、折り畳み傘では太刀打ちできずにびしょ濡れに。
雨を逃げながら入ったコンビニには傘がひとつもなく、泣く泣くカッパをお買い上げ。
わたしが仕事場を出たとき、わたしが駅を出たとき、「待ってました」とばかりにスコールのように雨の振り方が強まって。自分の雨女具合になんだか笑えてきた。

カッパを着て駅からの道を帰るとき、横にいる彼が「子供みたいだね」と笑っていた。
数年ぶりのカッパ。意外と楽なことに気づく。
でも周りからの視線が刺さった。
そうよね、もの珍しいもんね。

合羽を着ながら近所の公園を通り抜けたとき、ふわっと金木犀の香りがした。
「ああ、秋が来たね」とふたりで笑い合った。

大好きな季節、あっという間に過ぎていく季節。
一瞬一瞬を大切にしたくなる。

そんな1日。

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