ワークライフグラデーション
中学生のころ、美術の授業でモナリザの模写をした。
教科書に縦2本・横2本の線を引いてモナリザを9マスに分解し、画用紙にも同じように線を引き、グリッドとマスを手がかりに画用紙へ模写していく。
画用紙のほうが教科書より2まわりぐらい大きい。
グリッド・ブロックどおりに描いているつもりでも、下書きを終えて全体をみるとあっちこっちズレている。
1:1.618の黄金比、ダ・ヴィンチやっぱ天才かよ。
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黄金比といえば、ワークライフバランスとはよくいうが、ワークとライフの黄金比はいったいいくらなのだろう。
平日が仕事・土日は休みの人なら、単純かつ時間的に5:2となる。
がっつり作業はしないけれども、連絡が来たら返信する程度には休日も働いている人もいるかもしれない。
休日であっても頭のなかではずーっと仕事のことを考えている人もいるだろう。
砂時計の砂で計れる時間の割合
砂時計では計りきれない、仕事のことを考えている時間まで含めた心理的・体感的な割合
前者の比率はわかりやすくグリッドを引けるとしても、後者の比率は線引きが難しい。
休みもなく、たまの休みでさえも仕事のことを考えているような状態でも幸福度が高いときだってある。
でも「家族の時間やプライベートを犠牲にしている」と、ストレスを感じるときもある。
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たしか精神科医の樺沢紫苑先生のブログだったと記憶しているが、「ワークとライフをわけて考えない」との記事を最近読んで、衝撃を受けた。
「ワークライフバランス」という言葉があまりに浸透しているし、フリーランスどうしの会話では頻繁に話題となるワードだ。
…ワークとライフにバランスを設定しないだと…!
樺沢先生はこんなふうに書いていた。
「仕事とプライベートを一緒くたにして優先順位をつけると、仕事のせいでプライベートを犠牲にしている感覚がなくなる」と。
仕事だろうがプライベートだろうが、優先度を明確にして、最善を尽くす。
自分にできることに集中する。
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もはや仕事と生活を分けては考えにくくなっているわたしが、仕事と生活を切り分けること自体、ナンセンスなのかもしれない。
仕事の充実なしにプライベートの充実はなしえないだろう。
思えば、プライベートがもっさりしているときには仕事ももっさりしがちだ。
わたし個人的にはワークとライフの2要素ではなくて
ワーク(仕事)
ライフ(家族や仲間との時間)
プライベート(ひとりの時間)の3要素がだいじだけれども、
そこにモナリザみたいな黄金比なんてないんだろうな。
どちらかといえば赤・青・緑の三原色のグラデーションで表現される「色彩」に近いのかもしれない。
グリッドもブロックも必要なくて、ただ単に各色の濃度(優先度)で、黄緑にもなれば紫にもなるし、白にも黒にもなる。
くすんだ色だから悪いわけでもなく、鮮やかな色だからよいわけでもない。
赤みが強ければ幸せ、青みが薄ければ不幸せということもない。
むしろ「こうすれば幸せ・できなければ不幸せ」と決めることこそ、ストレスが溜まる原因とさえ考えられる。
そのとき大切にしたいものを、大切にしたい順番に、淡々と全力で取り組む。
ダ・ビンチが黄金比でモナリザを描いたのなら
わたしは毎日変わるグラデーションと色彩で日々を描いていきたい。
動じず、ジャッジもせず、フリーハンドで。
今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたの「黄金比」はどんな色ですか?
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