1つ1つ、手放していく
アメリカ生活の終わりが近づいている。
ボランティアのところで「ありがとう、さようなら。」
ESLのクラスで「ありがとう、さようなら。」
アメリカ生活の初期からの相棒、私の車にもとうとう「ありがとう、さようなら。」を言う時がきた。
「ありがとう、さようなら。」
この言葉を伝えるたびに、泣きそうになる。
終わってしまうんだな…というしみじみとした気持ちが湧きあがる。
1つ1つ、こうしてお別れをして、最後には何もなくなる。
まるで玉ねぎをむいていくかのように、1つ1つはがしていって、最後には私の手中には何も残らない。
そんな感覚が、今、私を包んでいる。
そして、別れの場面で、溢れる思いを伝えたいのに英語でピタリと表現できないもどかしさも感じている。
終わりよければすべて良し。
そんな言葉に惑わされて、美しく全てとサヨナラしようとしているけれど、現実はそう簡単なことでもないようだ。
最後まで、英語へのもどかしさを感じるし、
どれだけ「ありがとう」を伝えても、伝えきれていない気がするし、
終わらせたくないというささやかな願望を捨てきれない。
それはそれで、私らしい終わらせ方だな…と笑える気もする。
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