📕 | 読んだ気になる読書感想文。「竜のグリオールに絵を描いた男」②
📚 竜のグリオールに絵を描いた男
✍️ ルーシャス・シェパード
🌟 p.58〜p.180
👩🏻 読んだところまでネタバレ感想
↓
第二章 鱗狩人(うろこかりゅうど)の美しき娘 読了🔚
前回までは、竜退治に至るまでの外からのアプローチだったが、今回は竜が再び鼓動を打つまでの体内の冒険、内からのアプローチだった。
長年、竜の鱗を寝床にしてきたキャサリンは、竜の意志によってなのか、見るも美しい姿に変貌していく。
美しさを盾に放蕩の日々。
男や女を取っ替え引っ替え、貞淑さは人生の終わるその頃までに手に入れれば良いとまで考えるキャサリン。
ある日、痴情のもつれによって恨みを買ったキャサリンは、逃げ場を失って泣く泣く竜の口に飛び込んでしまう。
町の人々から忌み嫌われている竜の体内へと続く入口。
一面の闇と思われたその場所は、原住民と呼べる程長く住み着いた一族・フィーリー達が暮らす異空間だった。
なぜ彼女がこんな事に?
答えは意外にも呆気なく、竜の大きな意志によって、竜の都合のいいように動かされていたと知るキャサリン。
ついこの間観てきた、ピングドラムの映画でも度々〝運命〟について言及されていた事を思い出す。
あちらは宮沢賢治的な自己犠牲をベースに、電車というモチーフが出てきた。
こちらはキリスト教的な復讐を是としない思想をベースに、竜というモチーフが出てきている。
そうならば、第二章の最後でキャサリンの体が生まれ変わり、竜の体内から脱出する事にも、意味が生まれてきそうだ。
2つの作品に類似点はないけれど、そう考えても楽しいかもしれない。
となると、物語の最後はどうなるだろう。
死んだ竜はこうして再び心臓を動かして、最後の最後は飛んでいってしまうんだろうか。
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