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門司港ヤネウラで考え中

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しぇあはうすの日常の記録
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#映画感想

門司港ららばいは続く。

門司港ららばいは続く。

北九州から東京行きのスターフライヤーの機内で「門司港ららばい」を久しぶりに観た。関門海峡に面した古き良き港町、門司港を舞台にした短編映画だ。私はいまその街で暮らしている。

小さな画面の向こうにはコロナ前の私達の日常があった。休業補償なんかじゃ補いきれない門司港の日常。それが映画というかたちで残っていることを心強く思う。フィクションとは純度の高いノンフィクションだ。

いま正直、心が色々折れていて

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原風景と郷愁-映画『門司港ららばい』レビュー

原風景と郷愁-映画『門司港ららばい』レビュー

映画『門司港ららばい』を観たら何だか胸がいっぱいになってしまって、この余韻を忘れぬうちにと思って、こうして急いで筆を走らせているわけです。

冒頭の門司港へと近づく車窓のシーンから、胸の奥をぎゅっと掴まれて疼いた。線路ごしにみえる海峡。行き来するコンテナ船。汽笛の音。潮の匂い。東京からやってきた主人公の弥生が門司港に降り立ったときの感覚とこれからはじまる物語を私は知っている、と思った。

少しだけ

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