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[Amplitudeノウハウ集] ファネル分析によるコンバージョンの向上

1. ファネル分析とは

ファネルとは、ユーザー行動の遷移をチャートで表現したものです。

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上記はユーザーが購買に至るまでのファネルを表しています。どれだけの数のユーザーが以下のステップを実行したのかを集計してます。

「商品検索」➡︎「商品閲覧」➡︎「商品カート投入」➡︎「商品購入」

この集計例では「商品閲覧」➡︎「商品カート投入」のステップで最も離脱者が多い事が判明しました。全体の購買率を向上させるには、このステップの改善がポイントの一つになります。(赤枠)

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2. ファネル設計

ファネル設計を行う上での重要なポイントは以下となります。

実際のユーザー行動に基づいたファネルを設計する

実際のユーザー行動とかけ離れたファネルを設計してしまうと、分析結果が現実とかけ離れてしまう可能性がでてしまいます。


Amplitude では、実際のユーザー行動を求める Pathfinder Users といった機能を用意しています。

以下は、Pathfinder Users を利用し、購買に至るまでのユーザー行動のステップを求めたものです。Pathfinder Users では、最終コンバージョンを設定し、逆引きでユーザー行動を求める事ができます。

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実際に、ある「音楽/動画ストリーミング」サービスで購買までのユーザー行動の導線をPathfinder Users で確認した所、次の導線が最も多くのユーザーに実行されるステップである事が判明しました。

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上記ステップを書き出したのが以下となります。

・Step 1 - Search Song or Video (音楽/動画の検索)
・Step 2 - Select Song or Video (音楽/動画の選択)
・Step 3 - Download Song or Video (音楽/動画の DL)
・Step 4 - Add Content to Cart (音楽/動画の投入)
・Step 5 - Purchase Song or Video (音楽/動画の購入)

意外な事に「Download Song or Video (音楽/動画のダウンロード )」といったイベントが購買までのステップに含まれる事が判明しました。(上図赤枠)


3. ファネルチャートの作成

Pathfinder Users で求めた内容でファネルを作成してみます。以下は、Amplitude でのファネル作成です。数千万規模のユニーク数のファネルを数秒で集計してくれます。

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このファネルチャートを確認した所、次のステップの離脱者が最も多い事が判明しました。(赤枠)

「Select Song or Video」➡︎「Download Song or Video」

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この離脱者が最も多いステップでのコンバージョン改善を試みてみたいと思います。


4. ファネルコンバージョンの向上

Amplitude では、ファネルコンバージョンの向上と相関関係のあるユーザー行動を自動的に導き出してくれます。

相関関係を求めたいステップへマウスを移動し、サブメニューを呼び出す事で、コンバージョン向上に相関関係にあるユーザー行動を高いスコア順で自動検出してくれます。

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今回の例では Edit Profile (プロファイル変更) といったユーザー行動が、相関関係スコアが最も高い事が判明しました。(マシューズ相関係数を利用)

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Correlation data ボタンにより詳細内容を確認する事ができます。

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5. 効果検証

先程求めたイベントの効果を過去データを用いて検証してみます。

相関関係スコアの最も高かった Edit Profile を実行したユーザーで絞り込み、ファネルを集計してみます。

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集計した所、離脱が多かった3番目のファネルが大幅に改善し、かつ、購買ファネル全体の向上が確認できました。

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6. 施策検討

今回の分析により、Edit Profile を実行したユーザーのコンバージョンが高い事が判明しました。そこで以下の施策を検討する事にしました。

・より多くのユーザーに Edit Profile を実行してもらう為、Edit Profile を実行していないユーザーに対して、アプリ内メッセージ等で訴求活動する事にしました。

・今後の新規ユーザーに Edit Profile を必ず実行してもらうように、アクティベーションの過程で Edit Profile を実行するように UX を変更する事にしました。

実際に上記施策を全ユーザーにロールアウトする前に、A/B テストを実施し検証する事としました。なお、Amplitude では A/B テストの結果を自動集計し、統計的優位性であるかどうかを確認する事もできます。


7. まとめ

ここではファネル分析について以下のステップをご案内しました。

(1) コンバージョンに至るまでの実際のユーザー導線を求めます。
(2) 上記導線を元にファネルチャートを作成します。
(3) ファネル チャートを確認し、最も離脱の多いステップを求めます。
(4) 離脱の多いステップの向上と相関関係のあるイベントを求めます。
(5) 求めた相関関係の高いイベントを過去データを用いて検証します。


8. 追加情報

Amplitude のファネル機能についての追加情報については、以下もご確認頂けますと幸いです。


9. Amplitude について

Amplitude は、多くのアナリティクスが採用している「セッション軸」でなく、「ユーザー軸」でユーザー行動分析ができるアナリティクスです。ユーザー行動分析により、顧客理解を深める事ができ、データに裏付けされたサービス改善を図る事ができます。

Amplitude は全世界で12,000社以上の導入実績があり、NTTドコモ, Microsoft, Twitter, Dropbox, PayPal, Under Armour 等のグローバル企業で利用され、データに裏付けされた顧客理解やサービスグロースを支援しています。

日本市場においては、パートナーである代理店と共に、イベント設計、ETL、導入から分析を含む運用支援を一気通貫でご提案させて頂いています。

お問い合わせ : tokyo@amplitude.com


10.「リテンション向上の虎の巻」ご案内

Amplitude が実践で培ったグロース手法をご案内しています。ご自由にご活用ください。

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11. Amplitude 無料版の導入について

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詳細は以下よりご確認いただけます。