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【日記小説】 金沢と雹


4:50、起床。朝バイトへ向かう。
9:00、年内最後の朝バイトが終了し、一旦帰宅する。今日は旅をする、といっても行き先は決めておらず、青春18きっぷを使って、とりあえず日本海方面へ行こうと思う。 

11:20、家を出発。最寄り駅から京都駅へ向かう。
京都駅のみどりの券売機には長蛇の列ができている。ネットニュースを見ると、今日が帰省ラッシュのピークだという記事があった。こんな日に来たのが間違い、帰りたい気持ちになるもなんとか堪え、12:45敦賀行きの電車に乗車。電車の中もやはり人が多い。
ボックス席が空いているが、窓際の席はすでに座っている人がいて、その前に座るわけにもいかず、斜め前のシートに座る。ここからの席でも外の景色が見えないわけではないが、視界に人が入ると景色に集中できない。

13:30、近江舞子駅で電車が停まったときに斜め前の人が降りたため、席へ移動し、やっと窓際に移ることができた。電車の扉は開けっぱなし、外から尋常じゃないほど冷たい空気が入ってきて、じっとしていられないくらい寒い。
13:40ごろ、電車は再び出発し、日本海に向かって走る。

14:46、敦賀駅に到着。敦賀駅は2年前くらいに来たばかりで、それ以前にも5回以上は敦賀の地に足を踏み入れている。
敦賀駅から歩いて20分の距離にある気比神宮へ向かう。
その道程で商店街を通るが、商店街はこの前来た時には若干寂れた印象をもっていたのが、今日は人通りは割と多く、活気が感じられる。
15:05、気比神宮に到着。ちらほらと参拝客がいる。気比神宮はこの前敦賀に来た時に初めて参拝したとても落ち着く神社である。
15:20、参拝を終え、このまま帰ろうとすれば帰れるが、もう少し旅を楽しみたい気持ちもあり、決めきれないまま、とりあえず敦賀駅へ向かなければいけないことに変わりはなく、もし金沢の方へ行くのなら次の電車が15:40発であり、やや早足で向かう。
15:40、芦原温泉行きの普通電車に乗車。結局決めきれないまま、乗ってしまった。終電の芦原温泉ならまだ日帰りで帰る余地はある。しかし芦原温泉へ行きたいという気分でもない。

16:50、福井駅下車。結局芦原温泉までは行かず、このまま金沢まで行けば、今日中には帰れないが、金沢行きの電車までの時間の猶予があり、昼ご飯兼夜ごはんをとることにする。福井といえば8番ラーメンということで、駅内にある8番ラーメンに入り、税込726円の野菜ラーメンをタブレットでオーダー。思っていたよりボリュームがあり、食べていたら次の電車の時間が押し迫り、慌てて麺を最後まで啜りホームへ向かう。結局福井駅から金沢行きの電車に乗るのには乗ったが、未だにどうするか考え込んでいる。この優柔不断は生涯を終えるまで治らないのだろうかと心配になる。
結局金沢に行くことに腹を括り、金沢のホテルを予約する。幸いにも、朝食付きの部屋を当日にも関わらず3100円で予約することができた。
電車が金沢駅に着く直前、バリバリバリという音が聞こえ、何かと思って外を見ると、大粒の雹が地面を叩きつけている。またところどころに雪が堆積している。
迎えいれられているのかいないかわからないが、北陸らしい気象になんとなく嬉しい気持ちになった。
金沢駅からバスに乗り、20分かけてホテルのある東金沢方面へ向かう。ホテルのすぐ近くにスーパーがあり、惣菜コーナーで売れ残ってポツンと一つだけ置かれていたナポリタンを買い物カゴに入れ、なんとなく白米が食べたくなり普段は買うことのないチンして食べれるご飯のパックを買い、ホテルへ向かった。
ホテルはオートロック式ではなく、部屋全体古い感じはするが、部屋自体は広く、設備もところどころ新しいものが導入されていて、トイレの便座があたたかくないのはこの寒い地で堪えるものがあるが、その他は満足できるものであった。明日は金沢からそのまま来た道を帰るのもつまらなく、富山、飛騨高山経由でぐるっと一周して帰ることにする。明日はちゃんと計画を立てようと電車の時刻を事細かに調べ計画を立ててから就寝した。

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