さようなら、たい焼き屋さん 【詩】
夏の空は煌びやか
それでいて、この世の終焉のような
絶望的な気配も纏っていました
カスタードのたい焼きを買って帰ろう
そう思い立って
もしかして今日が最後になるかもしれない
カスタードのたい焼きを
あの商店街の一角で
半世紀以上も続いているたい焼き屋さんへ
暗い顔をしながらも軽やかな足取りで
途中で見たことのある中学校の同級生でどーでもいい関係だった人
お互い今もどーでもいいといった風にすれ違い、
けれどそのために中学校のこれもまたどーでもいい記憶が
蘇るハメになってしまい