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砂浜遊戯 【詩】

砂浜で自由な時間を過ごしていた
大きな手足のカニやサザエが陸へ上がってきて
僕の周りをカサコソしている
ある時サザエのひとりが甲羅を脱し
みんなの前から姿を消した
他のサザエのひとりは都会へ出稼ぎに行ったと言うし
カニの地位あるヤツが言うには
サザエは自ら干からびて死んだという

まあるく平穏な時間が流れていた
夜の波間が静かに泡立っていた

砂浜の記憶が波に打ち消され
まあるく平穏な時間が過ぎ去ることがただ恐ろしかった


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