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言語を「学ぶ人」から「教える人」になって思ったこと

こんにちは!オンラインで日本語を教えているErikoです。
前回は少し、前にやっていたSEという仕事から、日本語を教え始めた経緯についてお話してみました。

今日は、今まで外国語学習が大好きな自分が、「学ぶ側」から「教える側」になって感じたことについて書いてみようと思います。


自分の言語学習歴

高校でアメリカ、大学でイタリアに留学したため、留学前から今に至るまで、言語の勉強は基本的にずっと続けてきました。どちらも、学校での授業に加えて、

  • 映画、ドラマ、歌などのポップカルチャーで学ぶ

  • 英語/イタリア語が第一言語の人と会話をする機会を頑張って作る
    (大学で東京に来てからは、タンデムのためのアプリで友達ができるようなこともありました)

  • 本で勉強する

などをしていましたが、「人から(オフィシャルに)教わる」というのは学校の授業以外ありませんでした。オフィシャルに、とつけたのは、英語やイタリア語母語話者の友人にわからないことを説明してもらったりすることはよくあったからです。でも、個人的にレッスンをとるようなことはありませんでした。

教える人になってみて

すごくありきたりのことだと思うのですが、強く感じたことは2つです。

  1. 自分が言語を学ぶのと、人の学びを助けたり教えたりするのは全然違う

  2. 提供する側の方が楽しい

自分が言語を学ぶのと人の学びを助けたり教えたりするのは全然違う

スポーツなどでも「良い選手が良いコーチなわけではない」というような話がよくありますね。大学の時に塾講師のアルバイトをしていた時にも思いましたが、正直「自分が得意なことを、それを苦手な人に教える」はハードルが高いです。

自分は昔から勉強や試験が割と得意な方だったので、何となく「自分に合う勉強の仕方」みたいなものがあるのですが、生徒さんは色々な方がいるので、そういう自分の型のようなものがある人ばかりではもちろんありません。今はある程度、色々な方に合わせられるようになってきました(と思う)が、初めはペースを合わせられず苦労しました。

また、環境の違いもあります。私が英語やイタリア語を勉強した時は、高校や大学で主に勉強していたので、基本的な文法や語彙はそこで学び、発展的なことや会話表現、会話コミュニケーションの練習を自分でやる、という感じでした。フルタイム学生だと、試験に受からないといけない、というのもあるし、そもそも勉強に使える時間も長いですよね。

ですが今の私の生徒さんはほとんどが、仕事や家庭がある大人の人です。やりたい気持ちがあっても、自習に使える時間は限られているでしょう。そこも含めてコーチングのような形で、レッスン以外の時間の使い方も一緒に考えるという方向もあると思いますが、自分はそこまで求められていないと思っている+やりすぎて嫌になってしまうのを防ぎたいという気持ちもあり、今のところはアドバイスを求められたら答える、くらいにしています。

「(フルタイム学生ではなく)大人になってから、新しい言語をいちから始める」という状況を実感するという意味もあり、今韓国語を独学していますが、やはり学校という枠組みなしで自分だけで勉強を継続するのは難しいなと感じています。

提供する側の方が楽しい

話がそれますが、私は一時期色々なバーに通ってウイスキーを飲むのにハマっていた時期があります。その中で、特に好きだったお店のカウンターに1年ほど、アルバイトとして週1回だけ入っていました。

その時に思ったことは、「カウンターのこっち側の方が楽しいな」です。

お客さんとしてカウンターに座っている時と、カウンターの内側で提供する側に立っている時では、当たり前ですが気持ちも見える景色も気づくことも全く違います。

「自分が楽しむことだけ考えている」時と、「この人はどうやったら楽しんでくれるか」を考えている時では、頭の使い方も行動も全然変わってきます。
カウンターの内側にいると、1人だけでなく、常に色々なお客さんに気を配る必要もあります。
(もちろん、アルバイトという、時間も責任も限られた立場だから楽しめた、という留保はあります)

同じことを、日本語レッスンでも思いました。
目の前の相手(オンラインですが)にとって一番楽しい、続けられる、役に立つことは何だろう?何をどうしたら良いだろう?ということを考えるのは、自分が楽しく言語を学ぶことを考えている時とは全然違う楽しさがあります。

もちろんうまく行くときばかりではないですが、それも含めて、「提供する側になる」ことでしか得られない経験や学びがたくさんあるなと、身をもって実感しました。

何でも、どこに立っているかで、見える景色や経験は全然違うのだな、というお話でした。

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