「芸術文化は“不要、不急”」そこから紐解けるものとは?(後継者問題)
コロナでよく囁かれた「芸術は不要不急である」という言葉。
「文化、芸術、スポーツの灯が消えてしまってはもう一度復活させるのは大変だというのは承知している。ただ税金で損失を補填(ほてん)することは難しい」
(コロナ初期の日本政府の言葉)こうした対応への批判を受け、4月に成立した補正予算には個人事業者に最大100万円を支援する持続化給付金開始。芸術分野に多いフリーランスも含まれ、金額も他国に見劣りはしないが、問題や不満の声もある、(2020年4月)
この様な、芸術文化を守る意思を見せない姿に、落胆した人も多いのではないでしょうか。
ドイツの文化相「アーティストは今、生命維持に必要不可欠な存在」文化芸術分野を含む自営業者らに事業費約100万円の即時支援を約束。(2020年3月)
こんな時期だったからこそ、この言葉は世界の注目を集めた事は有名です。
ーーーしかし、なぜ日本は、上記の国と同様に”芸術文化を守ろう”という活動がありながら、差が生まれてしまったのでしょうか?
いや、パンデミック関係なく、芸術文化への関心が薄い人間の方が数多くいると感じています。
この原因は歴史に関係すると考えます。
↓↓以下、順を追って説明↓↓
「1:芸術といえば…?よくある意見(独自調査)」
① 日本の芸術のイメージといえば、どのようなことが思い浮かぶ?
・生きていく上で必要ではないもの
・遊び
・高齢者
② なぜ、日本で芸術が支援されないのか。または、普及しないのか?
・経済的な要素
・国民性(民主的だから)
…etc
このような意見が特に多く出ました。
しかし、最も多かった意見の「経済的な要素」でいうと、日本は世界的に見ても比較的裕福な国であることが下の図から分かります。
(The World Distribution of Household Wealth 2019)
では、経済的要素と国民性などが本当に、芸術文化への認識の甘さを生んでいるのでしょうか?
「2:なぜ日本政府もしくは多数の国民は、文化芸術を不要と思うのか?」
韓国とヨーロッパ諸国はパンデミックによる芸術支援を早くから始めていました。
この2つのキーワードをもとに日本と比較して考えます。
・韓国と日本を比べて
韓国の歴史を思い出してください。
中国や日本による侵略、植民地化。
自国の芸術文化の歴史が、なんども消えそうになった歴史があり、それを、現代まで守ってきたのが韓国です。
そして芸術によって、明かされた歴史の一つとして有名なのは、慰安婦問題です。
韓国の慰安婦問題は、日本が韓国の女性を侮辱的に扱った問題であり、その事は、決して簡単な問題ではありません。
そのために、多くの被害にあった女性たちは、その事実を隠してきました。
ーーーいえ、言えるわけがありませんでした。
詐欺や甘言、誘拐、拉致、脅迫などで慰安所に送り込まれた占領地の女性達。自分の親を日本軍に殺された。もしくは自分の兄弟を殺されたという人がいたと思います。そんな自分の仇のような存在にモノのように扱われる事は、どれほど辛く、どれほど恐ろしかったか、想像もつきません。
その歴史がなぜ今明かされているか。その一つのきっかけは一枚の絵画からです。ある一人の女性が絵画を描き、徐々に事実を明かしていきました。そして、それが心のケアにもなっていったのです。
(参考:ナヌムの家のハルモニ達)
その後、日本政府の謝罪から徐々に、被害に遭われた方がどんどん集まり、その歴史が明かされたのです。
それも何年も経ってから。
・ヨーロッパ諸国と日本を比べて
韓国との話から、芸術の国として数多くの名所がある”ヨーロッパ”も当てはまる事がわかると思います。
ヨーロッパでは日本と違い、国境を越えたら違う国。
歴史的に見ても、国同士の争いや、領土争いは多い。
隣同士の国なだけあり、悲惨な歴史が数多くあります。
「3:日本の芸術文化への関心の薄さについて原因は?(結論)」
韓国やヨーロッパに比べ、”日本の芸術文化は平和でした。”
これは、語弊を招く言葉かもしれません。確かに、文明開化や第二次世界大戦など、危機的状況も悲惨な歴史も経験しています。
ーーーしかし、日本は自国の言葉や、芸術文化が何年も無くなってしまうようなことは、他国に比べて、少なかったのです。
日本の芸術は素晴らしいものがたくさんあるのに、過去に芸術を失う経験が少なかった為に、“守る”考えが薄い。
これが、世界と日本の芸術による価値観の溝の原因の一つであると考えました。
私たちはそれを理解した上で、日本のマーケットだけで考えず、世界のマーケットについて考え普及していくことが、“日本の芸術を守り、普及する価値の創造になる”と考えます。
合わせてこちらも読んでいただけると幸いです。
→そもそも、なぜ芸術文化は必要なのか?
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MIC (AJULIE)
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