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0101 ショート・ショートプロジェクト

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2024年に起きた能登半島地震に際してスタートしたプロジェクトです。能登半島の一日も早い復興を願いながら、101話を目指してショート・ショートのストーリーを書き続けます。 not…
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2024年1月の記事一覧

【創作ショート・ショート03】アヴィ

【創作ショート・ショート03】アヴィ

「うちの猫が危篤だから、あなたと別れようと思うの」
電話口でそう告げると、恋人は絶句した。ややあって、彼はこの上もなく慎重な声で答えた。
「今、なんて言った?」
「だからね、アヴィが死ぬかもしれないから、あなたとは別れる」
「どういう意味?」
私は、たった今雨が上がった中央大通りを急ぎ足で横切る。動物病院に向かっている最中だった。アヴィの容態が急変したとオフィスに電話があって、バタバタと帰り支度を

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【創作ショート・ショート02】猫が来る日

【創作ショート・ショート02】猫が来る日

 その猫が来るのは、きまって晴れた日の午前7時半ごろだった。その猫は、白と黒のまだら模様をした大きい体をしていて、ちょうど牛のように見える。牛のような猫は、僕の自宅の窓から見える位置――となりの家の屋根のはしの方――で丸くなり、日が高くのぼるまでの時間そこで過ごしていた。
 猫がどこから来て、どこへ帰るのかは、全く分からなかった。

 不思議なことに、猫の来る日はたいてい晴れになるのだった。天気予

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【創作ショート・ショート01】時計屋の古い暗号

【創作ショート・ショート01】時計屋の古い暗号

 ここから北に30キロほど先にある町は、かつて大きな銀行が林立する金融街だったんだ。今から60年は前の話か。もうすっかり忘れ去られた町になってしまったが、裕福な銀行屋が行くような豪華なレストランや宝飾店が当時はいくつも並んでいた。

 昔その町で、時計屋をやっていた建物がある。重厚な石でできた4階建てのビルだ。ビルの壁面に使われた黄色に近い色合いの石は、わざわざ西の海岸から取り寄せたものだと聞いて

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