【詩】遊園地に充満するアイロニ
巡り巡って出発点に戻るメリーゴーラウンド
白馬に乗った王子様なんて現れないことは 分かっちゃいるけど
風船配りのピエロはいつも満面の笑みを顔面に張り付けている
そんな風にテンションをhighにできる方法があれば 教えてほしいくらい
ベンチで本を開きながら老人は眠りこけている
薬なしで安眠を心ゆくまで堪能できるとは なんという至福だろう
観覧車の天辺のカップルはいつにも増して 2人の世界を作り出している
どうせ、片方ずつのイヤホンから流れてくる音なんてクオリティーが下がっちゃうのに
校則のスカート丈はガン無視
アイロンとコテで仕上げたヘアスタイルは完璧
胸中で吐き出すアイロニーは灰色
気分は最高で最悪
箱庭のそここで溢れかえる高嶺の名無しさんたち
右手に持ったアイスクリームが溶けて 指に垂れた
迷路遊びにハマって ついには 出口が塞がれた