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いのちをみつめる

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死んでしまいたいときとか、ちょっとだけ、ほんの一呼吸だけ置くことができたら…… そんな作品を、集めてあります。 生きよ。 そなたは美しい。     (宮崎駿『もののけ姫』より)
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#小説

6月4日に生まれて①

6月4日に生まれた。
アメリカ合衆国の誕生日、7月4日のちょうど一ヶ月前だ。
アメリカだって悪いところはある。
DTみたいなやつが大統領になったり出来るしね。
30代から必死にPと戦ってきたが、正直疲れた。
みんな独裁はよくないと言いながら同時に、Pに憧れPに頼ってる。
そんな国なんだここは。

悪いが俺は疲れた。
先に一人で行かせてくれ。

6月4日に生まれて②

6月4日に生まれた。
アメリカ合衆国の誕生日、7月4日のちょうど一ヶ月前だ。
アメリカだって悪いところはある。
DTみたいなやつが大統領になったり出来るしね。
30代から必死にPと戦ってきたが、正直疲れた。
みんな独裁はよくないと言いながら同時に、Pに憧れPに頼ってる。
そんな国なんだここは。

悪いが俺は去る。
自由を我らに、もとい、
自由を俺に。

そしてこの間私は見た。

Nセコのスキー場の

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6月4日に生まれて③

6月4日に生まれた。
アメリカ合衆国の誕生日、7月4日のちょうど一ヶ月前だ。
アメリカだって悪いところはある。
DTみたいなやつが大統領になったり出来るしね。
30代から必死にPと戦ってきたが、正直疲れた。
みんな独裁はよくないと言いながら同時に、Pに憧れPに頼ってる。
そんな国なんだここは。

それでも俺は挫けない。
いつか自由なRシアは来る。
不自由だったソビエトが終わったように
いつかRシア

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トリアージ

トリアージとは、災害等で多数の傷病者が発生した場合に、傷病の緊急度や重症度に応じて治療優先度を決めること。
災害時故の限られた医療スタッフや医薬品等の医療を最大限にスムーズに進めるためにはやむを得ない措置ではある。
そうではあるが・・・

沙流川水域での巨大地震の際の、緊急医療体制を仕切った経験が、多分俺を変えたのだとおもう。
トリアージ。
救命優先順位を生存可能者のみと位置づけて、生死の基準、判

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まつ

すぎだけど
ひのきだけど
わたしらのおとこどもはいったいどこにいってしまうの?
こちらからさがしにいくこともできない
にんげんにゆうわくされてしまうの?
そうなの?

そうじゃない
そうじゃないんだよ
ただ
やつらのくちはなめにはいるとさ
なんかねばねばにつかまえられちゃうんだ
でたいんだよ
ほんとうにあいたいのはきみたちだ
でもだめなの
やつらのねばねばにとらわれてじゆうになれるやつはいない

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内田逝く

※ 本作は、完全に、フィクションです

儂癌じゃけえ
代わったるわ
美奈代さんと結婚せえ

生まれ
育ち
話して聞かせえ
こどものころどこで転んだとか、大事よ
あとは、クラスの出来事とかな
政治的なことは・・・
ええわ
黙秘しとく
それっぽいじゃろ
完黙

生きろ
一日でも長く
人間らしくな

ひさん

いちがつついたちからのきおんがっさんが、400ど、こえると、ぼくら、そとへでられるんだって
きょうで337どだって
もうちょっとだ!

どのくらいのひらきなの?

それはわからんけども。
たぶんもうちょっとだ!

力み返るぼぜっちぇるを見下ろし、わたしはふふふとそっと笑む
えんじょんもぽふーりーもめっちゃ楽しみにしてたわね
美人にくしゃみさせるんだ!って、もめ
俺はひげ面!って、けれっせれ
みんな

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大平原を渡りゆくものたち〔生々しい殺戮シーンがある(かもしれない)ので、苦手な方はブラウザバック願います〕

かれらは大平原を横切ろうとしていた。
渡り切ったらそこにはきっと、おいしいごはんが待ってるのだ。
一緒に行くと言ってきかなかったルレを左に、ルレのきょうだい、ポドリヨンを右に、かれらはひたすら走っていた。
もうすぐ渡り終えられそうだったのだけど・・・

だめだ!くる!

叫んだルレが白いものに覆われたかと思うと、悲鳴を上げるひまもなく、いきなりぶしゃりと潰された。
翻って白いものは、今度はポドリヨ

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焼かれるおんな〔連想力・直感力の著しいかた、情景が生々しくリアルに浮かびすぎるかたにはお勧めできません〕

まるで焼却炉だと、私は思った。
でもあのゴウツクバリのババアが焼かれるんだから、こんな程度の場所でいいのよ。
こどもっぽい、きかん気の息子を押しつけられて二十年、その死後今度はあんたを看させられて十二年。
焼却炉ででも焼いてやらなきゃ私の憎しみはおさまらない。

精進落としのビールをやりながら、私の頬はもう半ば、だらしなく緩んでいたりもする。
その間も『彼女』は順調に、程よく焼かれてゆくのだが、誰

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畳む妻

洗濯物をたたみ終わると、桐子は小さく伸びをした。
右手はパー、左手はグー。
あんな伸びのしかたがあるもんか。
そう思って笑いかけてすぐ、背筋が凍った。
あの伸びのしかたは玲子のものだ。
二年前に逝った・・・
だがどうして玲子の伸びを桐子が・・・
二人は全く知り合いじゃない。
ああ、ただ・・・

玲子は自分の死の直前、僕に再婚を約束させた。
それもすぐにと言い張った。
僕は彼女に導かれるように、桐子

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自分的・露ウク関連一式

こんな好き勝手言えるのも

結局他国だからだろう

遠くで吠えてるだけにすぎない

そして合衆国もまた過去に、

情報ねつ造したことがあるという事実ある

何もかも盲信してはいけない
        2022年4月7日 05:55

記事内は逆順に積み上がっております

シオンのことが起きてから
ニュースのメインはパレスチナに移っちゃった
これだから日本の報道なんて

↑これやってくれてたらもう終

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追悼

追悼登山に行くという義兄を、私は止めきることができなかったが、そんな私をあざ笑うかのように、その日も山は大いに吹雪き、義兄は二度と戻らなかった。
義父のときもそうだった。
ご友人の追悼登山にゆくのだと言ってきかず、結局吹雪にのまれてしまったのだ。
これでは全くの繰り返しではないか!
警察は繰り返し、登山者たちに言っている。
追悼は平地で!
尾根でなく平地で!
でも山男たちは繰り返し、追悼は登山を行

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疎乃美の疎

疎(うと)むとも読むと知ったとき、疎乃美の気持ちは奈落に落ちた。
パパもママも大嫌い!
そんなに私がいらなかったなら、つくらなければよかったのよ!
つくっちゃったんなら私のこと、可愛がらなきゃ絶対嘘よ!
可愛がられてないと決め込んで、呪いの札に父、母の名を書き込んだ彼女、
彼女は全く知らなかった。
その日がたまたま悪魔らの、

人間の願い何でも叶えたるでぇ

の日だったことを。
父母は死んだ。

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去年の夏

たった七秒半の命だった。
彼女の甘い吐息から、吹き広げられて虹色に輝き、自由の天地へと漂い出たのもほんのつかの間、それはたった七秒半で消えた。

なんて・・・

『はかない』と彼女の唇は続いていたが、それは決して声にはならず、かわりに一粒真珠のような、涙で頬を濡らす彼女だった。
わかってる。
僕らは戻れない。
十七の僕らはこどもで、新しい命を育むには、自覚も実力も備わってなかったし、たとえそれらが

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