疎乃美の疎

疎(うと)むとも読むと知ったとき、疎乃美の気持ちは奈落に落ちた。
パパもママも大嫌い!
そんなに私がいらなかったなら、つくらなければよかったのよ!
つくっちゃったんなら私のこと、可愛がらなきゃ絶対嘘よ!
可愛がられてないと決め込んで、呪いの札に父、母の名を書き込んだ彼女、
彼女は全く知らなかった。
その日がたまたま悪魔らの、

人間の願い何でも叶えたるでぇ

の日だったことを。
父母は死んだ。
飛行機が落ちて、一瞬で。
でも彼女はそれでもまだこう思っていた。

愛のない名前を私につけるからよ!

そんなふうに思っても、遺児である彼女は二親の、遺品の整理はしなくてはならない。
そしてその中に彼女はみつけた・・・改名届を。

おじいちゃまがつけた名前だったの

でもあんな字はないよな

遅くなってごめんね

愛を込めて

パパママより

そう。
愛はそこに、確実にあったのだ・・・




それでも地球は回っている