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#詩
十二の月の物語~konekoさんに捧げる12篇~
一の月の物語
お正月
松とれて、ふっと息つくと成人の日
そういう期間に誕生日
ううん
忘れられてるほうがいいの
ケーキやプレゼント用意されて祝われるの嫌で
でも、祝日が動くようになって、気づかれることが多くなった
祝われる
祝われる
誕生日
機械的に
そんなの
つまらない
二の月の物語
鬼やらい
鬼は外
外は寒い
寒いと悲しい
悲しい心は鬼を宿し
鬼やらいでいきなり追い出される
ぐるぐる
宮君から借りた一行
頑張ってこいと朝は言う ←ココ
それはいやだと私はごねる
何時なら行くのだと朝は言い
昼過ぎならばと私はごまかす
ああ
この遠い道程のため
高村光太郎になってもうた
これが御本家↓
高村光太郎は居ませんよ↓
私のうたは記憶のうた
私のうたは記憶のうた
私とともに消え去るもの
私のうたは思い出のうた
よろこびも
かなしみも
いまさら私を苦しめない
私のうたは私の人生
様々な出会いが
タピストリーとして織りなされ
いま
私の
心の中の壁を飾る
このようにして
私は生きて在った
誰も知らなくても
私はこうしてここに在ったのだ
砂に埋もれても
いつか風に千切れ去っても
そのことだけは変わらないの
小さな一歩を積み重ね
小さな一歩を積み重ね
明日へ続く道をさがす
55年してきたことを
今日も明日も続けるだけ
自分しか
頼るものなく
自分ほど
裏切るものはないけれど
この程度のやつが自分で
実は安心してるのだ
汚染された腕を斬り落とす
殲滅された魂は
いったいどこで眠るのだろう
感染した腕を切り落とす
まだ左手が
あるだろうか?
(旧題・戦いの残滓)
私はすべてをあきらめている
あきらめたまま歩いている
十分だろう
月も見た
星も見た
恋もした
大金も掴んだ
愚かなことで失った
人生を濃密に生きて
悔いなんて
後二つ
たった二つなのだ
いっぱいの恩を受けて
返しきれない恩を受けて
恩に溺れてあっぷあっぷで
恩を返せと迫られても
まだまだ力不足で
沈黙してしまう
それでも恩返しを迫られるので
死んでお詫びが手っ取り早くなる
そのうち怒りに変わって
てめーのせいで死んでやる
になってゆく
踏みとどまらせているものは
娘
恩知らずのおんなのこども
逆恨みおんなのこども
そう呼ばせたくはない
手の中の幸運
最後のひとかけらを