ただ蕎麦を食べたいだけなんだ


最近暑くなってきたためか、夫の服装に変化が見られる。部屋着はタイパンツにランニング。外着はランニングに短パンでビーサンに、もちろんグラサン。

京都でよく見られる欧米系の外国人観光客のスタイルと、ほぼ変わらない状態である。

先日平安神宮近くにある親戚のマンションに行ったところ、「(夫が出入りしてると)民泊やってると思われる」と言われていた。

格好だけ外国人風というのは別にどうでもいいことなのだが、会話においても外国人風だと、正直面倒臭いことが多々有る。


例えばこの間、おいしい蕎麦屋に行く道中で、萌え系アニメキャラについて夫と議論になった。夫はこの萌え系自体が嫌いなので、猛烈にバッシングするのである。
わたしはそんなの好みだし、バッシングする意味がわからないと発言すると、そこからディベートの嵐である。

あまりにかぶせてくるので、正直面倒臭くなり、どうでもいい空気を流しにかかると、

「議論は重要や。好きだという権利があるなら、嫌いだという権利もある。なんちゃらかんちゃら(割愛)」

どうにかフェードアウトさせて、蕎麦屋に着いて機嫌よく蕎麦を食べてると、思い出したかのように「さっきの萌え系のことだけど」と言いだしたので、

「もうええやろ!」と、軽くキレて、話を終わらせた。



ただおいしく蕎麦を食べたいだけなんだ!



こういう具合で萌え系というライトなネタはまだ序の口なのだが、日本や世界の政治経済などの重いネタにうっかり口を挟んでしまうと、すぐさま熱い議論が始まってしまう。
海外にいると、議論は当たり前で、コミュニケーションの一部だと夫は言うのだが、正直なところ、唾を飛ばしながらディベートするというのが日常の環境には、できるだけ身を置きたくないと思ってしまう。

なあなあな日本人気質で、正直いい。



ディベートより

こたつで横になって

うたた寝したい

(自由律俳句)


2018.6.10『もそっと笑う女』より


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