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箱根駅伝をテーマに、卒論を書いた話。

今回は観戦レポではなく、私が大学時代に書いた卒論の話です。

私は自他ともに認める駅伝好きです。
駅伝どれくらい好きなの?と周りからもよく聞かれるのですが

「卒論は箱根駅伝をテーマに書きました」

と、駅伝を研究対象にするくらいには好きなのです。

どんな研究なのか気になる!とよく言われるのですが、5年も前の話なのでどんなことを書いたのか、詳しい内容はあまり覚えていませんでした。

ところが、先日部屋の断捨離をしていたところなんと当時の卒論を発掘!

せっかくなので、どんなことを書いていたのか簡単に要約、備忘録としてnoteに残しておこうかと思います。


✳卒論タイトル
「箱根駅伝テレビ中継が視聴者の記憶に残すものーメディアが形成する物語ー」


箱根駅伝のテレビ中継は視聴者にどのような影響を与えるのかを明らかにするためにアンケート調査を実施し、テレビ中継はどのように視聴者に箱根駅伝の記憶を残すのか、プロセスを分析した論文です。

テーマを決める際は、生島淳さんの『箱根駅伝』を読み参考にしました。

東洋大学が優勝したとき、東洋大学の受験者数が増加した現象もあったようで、箱根駅伝は大学のPRや広報の一環としても考えられている、と記載があったのです。

箱根駅伝はテレビ中継を通して観る方が大多数ですが、じゃあテレビ中継はどのように視聴者に影響を与えるのだろう?と疑問が生まれたので、この疑問を元にテーマを定めました。

アンケートは全国の大学生(当時)の方150名ほどに協力してもらいました。
当時の調査結果も一部紹介したいと思います。

⚠調査結果は2015年時点のものです。


Q1. 箱根駅伝でテレビ中継で視聴したことのある区間
(複数回答)


そもそも、駅伝好き以外は箱根駅伝をテレビに張り付いてずーっと見ている人は少ないのでは?と思い、この設問を設けました。中継の一部しか見ない人もいる想定でアンケートをとってみたところ、5区(往路ゴール)と10区(復路ゴール)は比較的見ている人が多い結果が出ました。ゴールはやっぱりみんな気になるんですね。

比較すると、復路の7,8区は少し少なめ。近年は往路重視型のオーダーを組む大学が多いため、この区間だとシード権争い以外の優勝、準優勝校はある程度順位を予測できてしまうからではないかと思われます。

Q2.箱根駅伝で最も印象に残った大学
最も多かったのが東洋、次いで青学という結果になりました。


2015年以前、2009年~2014年までは東洋大学が4度優勝しています。今でこそ青学が強豪というイメージが強いかもしれませんが、調査当時は直近の大会で東洋大学の優勝回数が多かったのです。

2015年以降は青学が4連覇をしているので、今同じ調査をしたらだいぶ結果が変わってくる気がします。

Q3.箱根駅伝テレビ中継で印象に残っている選手(複数回答)


これは2位と圧倒的な差をつけて、元東洋大・柏原竜二選手が1位となりました。その他を除くと次点は元青学の神野大地選手でした。

さらに、最も印象に残った大学を「東洋大学」と回答した方に印象に残った理由も聞いてみました。
詳細結果は画像をご覧ください。


最も回答が多かったのは「山の神と称される選手がいた」という結果となりました。

この選手は紛れもなく柏原竜二選手のこと。
85回大会では首位との4分58秒差をひっくり返し8人をごぼう抜き、そして往路優勝。そんな柏原選手を実況アナウンサーは「山の神」と比喩しました。彼の大活躍によって東洋大が初優勝したこともあり、これ以降、メディアは柏原選手を山の神と称するようになったのです。

あくまでも仮説ですが、大多数の視聴者は「選手」ではなく「大学」にフォーカスして箱根駅伝を見ていると考えられます。

そう仮定すると、必然的に優勝した大学や強い大学が印象に残りやすくなるのでしょうが、「山の神」と象徴される選手がいることによって、その選手が所属する大学がさらに強く印象付けられる。

「山の神」というワードは、選手のキャッチコピーとしての役割を果たしており、その選手や大学を印象付ける1つの要因とも言えるでしょう。

調査結果は以上のような結果になりました。
「山の神」というワードは視聴者の印象に残りやすいキャッチーなワードなんですね。

分析パートの解説も入れるとめちゃくちゃ長くなるので割愛しますが、結論は、箱根駅伝はテレビ中継がないと全貌(内容)を把握することが難しいけど、それは番組制作側によって取捨選択された映像、つまり作り出された物語なんですよ、ということを導いて締めました。
(上記のことからサブタイトルに、メディアが形成する物語 と入れてます)

改めて読み返してみると、至極当たり前なことを書いてますし、駄文だしよく卒業できたな、とも思いますが所属していた学部ではメディアを学んでいたこともあり、こんな感じの内容にまとめました。

振り返ってみて、アンケートの設問設定やそもそもテーマ設定が微妙だったんじゃないかとか改善すべき点はいろいろあったと思いますが、箱根駅伝をテーマに卒論を書くこと自体は楽しかったです。
私自身、論文やレポートが苦手なんですが好きなことなら頑張れるんだなと。笑

もしまた機会があれば、違った観点から駅伝について研究してみたいなあ、という願望は未だ持っています。笑


ということで、長々と大学時代の暗黒卒論を紹介してしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!
ご意見などはぜひコメントもお待ちしています◎


それではまた。


さいとーあやみ

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