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憂
2024年5月28日 03:49
朦朧とした魂は徐々に精細さを増すメランコリーにうなされた日々に天使が舞い降りる一時の快楽に身を任せるつもりはない夜半、予期せぬことに目覚めてしまった透明なランプはふいにわたしの目を刺す仕様がないからキュビスムの絵に心を通わせる今日のことは考えなくていい、とあなたは囁くそんなことはいかない、と心の奥底で必死に叫ぶわたしのなかの小人どうしようもない焦燥感と満ち足りた充
2024年5月20日 21:22
あなたのプシュケーはもっともらしい正義でわたしを縛りつける。凛々しい浄玻璃がするような眼の反射で屋根を焦がす。わたしはその熱々の屋根の上で体育座りをし平然と空を見上げるように強いられる。わたしはただただじっと、雨が降るのを待ち続ける。ここは規則的に雨が降る地域なのでそんなに長く待つ必要はない。雨が降るとあなたは、濡れてしまうから家に入ろう、と優しい顔をして言う。
2024年5月17日 06:28
打ちのめされたわたしの眼に灰色の温もりあなたの眼には涙が滴るわたしの安堵に冷たさが侵入する焦燥感とリラックスが混じったこころに前を向けと誰かが言うあなたの未来はわたしと共にあるそしてわたしはこれからひとりで歩く試練が課されるさあ、これからだ
2024年4月19日 12:04
アムールの土砂降りにただただ狼狽えるその場ではわたしは啞であるどうしようもない幸福が諦めとともに襲ってくるチャコールグレーの日射満ち足りないと神父は嘆く救済と落葉が同時に眼前にあらわれる盗まれた神灯が街を豊かにするわたしはその恩恵に預かるひとりだけ苦しみもがくものがいる神父が破顔したこどもたちは泣いていた教会に恭しい鐘の音が鳴り響く
2024年4月15日 19:05
頭痛のような眠気どうしようもない天からの啓示わたしは瞼の裏にユートピアを持つ悪夢が悪夢のような顔をしていない喜劇どうすればあなたと健やかな眠りにつけるのか諦めに似た諦めが心のなかでゆらゆらするもう何も考えなくていいとあなたは言う神様はわたしに天罰をあたえるああ! きっとこのままどこにも行けない
2024年4月13日 07:19
眠気の辞書はだれにも見つからない場所に隠している眼を擦りながら太陽と月の衝突を再確認する枕と珈琲の朝は冷たく忙しい薄志弱行の決意不規則なリズムで揺れる脳はまだ夢と現実を区別できないひっそりと立つ富士山がわたしをくっきり惑わす澄んだ狂気が血液に充満するベッドのぬくもりは靴の中にだけ残っている気味の悪いポストは今日も朝の匂いを浸すあなたが向こうから歩いてくるポッと灯った燈火の
2024年4月11日 18:44
浄玻璃がまぶたの重さに変わるわたしは酒の瓶を持ってあなたの帰りを待っているきっと、肋骨にできた空白は酒をもってしても埋まらない雲の鳴らすメロディは美しいに決まっているわたしは密かに地球の裏側にまわりこむ記念日はわたしにとって空疎なものでしかない噓を醸し出す水夫は地獄の扉の鍵を持つあなたはその水夫の面貌に魅力を感じ、水夫の手を取るあなたと水夫は楕円軌道を描く夜明けの街中でユラ
2024年4月10日 15:45
浮き足だった鏡にだけ桜の花弁は写るその鏡の裏側には吐瀉物の美学が語られている通り過ぎていくジリ貧の男はその鏡の存在に気付かない池のほとりに絶縁体の真珠がひっそりと佇むそれは電気によって照らさる月はただただそれを見守る行列は永遠の川に接続するわたしはその行列の往来のなかに立ちすくむ杞憂の言葉が頭の中でグルグルする掌に映し出された桜は桜のような顔をしているあなたはその桜に刹那
2024年4月9日 08:50
珈琲の音色が静かな天国に響くわたしはカフェインを浴び、どうにか生きているでもカフェインはわたしの方を振り向いてくれない雨が翻ったとき、わたしは外に出かけるそこは快楽に魂を預けたような世界であるもうきっと晴れた日には満足できない夢を夢と気付かない楽観的な肉体は日々脂肪を蓄えるどうか安らかに眠らせてほしいでも神様はそれを許さない幸せを願うラベンダーの香りあなただけは絶望と無縁