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【詩】愛の教会


アムールの土砂降りにただただ狼狽える
その場ではわたしは啞である
どうしようもない幸福が諦めとともに襲ってくる

チャコールグレーの日射
満ち足りないと神父は嘆く
救済と落葉が同時に眼前にあらわれる

盗まれた神灯が街を豊かにする
わたしはその恩恵に預かる
ひとりだけ苦しみもがくものがいる

神父が破顔した
こどもたちは泣いていた
教会に恭しい鐘の音が鳴り響く


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