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憂
2024年5月25日 09:56
「さあ、行こう」 Kは前を向きながら、隣で一緒にベンチに座っているUに向かってそう言葉を発した。Uはずっと怪訝な顔をしてうつむいている。「……嫌よ」「……」 沈黙が二人の間に流れた。Kは焦りもせず、凛々しい顔をしている。Uは相変わらず、怪訝な顔をしている。「……ばさっ!」 KとUの前で闊歩していた鳩が飛び立った。Kは鳩が飛び去る方へ目線を追いかけた。Uは表情ひとつ変えずにうつむいたまま
2024年4月27日 17:13
2024年4月5日 10:58
そこは、ただただ暗かった。左右を見ると畑がひろがっているらしかった。前方には森林がそびえたっているらしかった。畑と空、木々と空の境界があいまいで、灯りという灯りは月灯りしかなかった。 生温かい微風が横切った。その微風が心細さを増長させた。 私は歩いた。地面が確かにあるものと信じて。一歩々々たしかに歩を進めるものの景色は変わらず、本当に進んでいるのか自信がなかった。 私はどこに向かっているの