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映画「プラスチックの海」と、海洋環境のために私たちにしかできないこと

こんにちは!Amidoriのアヤカです。ファッション分野のサステナブル・エシカル普及活動をしています。Noteでは、サステナブル全般的なことを発信していきます。

あなたも1度はテレビで、海に流れている漁業用網やポリ袋の取っ手に引っかかって、動けなくなってしまったウミガメやアザラシの姿を、見たことがあるかもしれません。
痛々しいなあと思っても、もし目の前にその姿があったら助けようと思うのに、街中に住んでいてそんな姿を見ることはなかなかありません。

Netflixで「プラスチックオーシャン(プラスチックの海)」というドキュメンタリー映画を見ました。
その名の通り、プラスチックが海洋生物に与える影響を追った映画です。
今日は、その内容と感想も交えながら書いてみようと思います。

映画「プラスチックの海」で見られるプラスチックが生物に与える影響

先日の自己紹介記事で、ちらっとポリエステル等の化学繊維は生分解されづらいマイクロファイバー(短繊維)を放出し、海に住む生き物が飲み込んでいると紹介しました。
マイクロファイバーは本当に小さいために、濾過されずに海へそのまま放出されてしまっています。
そして、例えば多くのポリエステルは、プラスチック製品に代表されるPETを使った繊維です。

そして、マイクロプラスチックとは、1~5mm程度の小さなプラスチック片のことを言います。
ペットボトルやあらゆるプラスチック製品は海に流れ着いた際、太陽光や海の塩分などの関係で壊れ、小さな破片になります。
小さな破片になるからといって、分解されているわけではありません。海に残り続け、海洋生物や海鳥が間違ってそれを飲み込んでしまいます。
映画では、大量のプラスチックを飲み込んで息絶えていく動物や魚たちが出てきます。

例えば、ベランダに置きっぱなしの洗濯ばさみが弾けてしまうことありますよね?
そのような破片を誤飲してしまって、ずっとお腹に残り続けることをイメージしたら、なんて苦しいんだろう!と想像に容易いと思います。
そして魚や鳥の胃の大きさを想像すると、5ミリ片でその身体にどれだけ大きな負担がかかるか…映画では、さらに5cm以上あるような破片を、大量に飲み込んでしまったことも紹介しています。

そして、内容はさらに深く人に与える影響についても議論されています。
飲み込んでしまったプラスチックの毒素が魚に蓄積し、私たちが直接食べたり、その魚を餌にしている動物や魚を私たちが食べたりしているということです。
つまり私たちもその毒素を摂取している可能性があります。

どんなに小さく砕けても、プラスチックは生分解されずに100年以上残り続けると言われている。

日本のプラスチック事情

日本でもポリ袋の有料化で、脱プラスチックの第一歩目を踏み出しました。
ちなみに、ウミガメはポリ袋をクラゲと間違えて食べてしまうんだとか。
ポリ袋が少なくなって、少しでもウミガメの健康が守られたと思うと、嬉しいですよね!

しかし、日本中に溢れているプラスチック製品やプラスチック包装。
プラスチックとの接触を全くしない生活を目指すと、気が遠くなるように感じます。

プラスチックは石油から作られていますが、石油は無限にはないことは、皆さんもう知っていることと思います。
そして無限にはないのに、毎日こんなにつくられ使用され、家庭でもプラスチック製品や容器、ペットボトル等のゴミの量は少なくないと思います。

細かくて大変だけど、リサイクルのためにがんばって分別している方もたくさんいると思います。

ちなみに日本でプラスチックは、主に焼却時に熱回収されていますが、この熱回収に対しては疑問の声があがっています。
・リサイクルできるものをリサイクルしないで、熱として利用している(世界基準で、熱回収はリサイクルではないとの見方)プラスチックの原料である石油が枯渇してきているのに、リサイクルをしていません。
・焼却時に、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を発生させている

また、それ以外にも日本を含めた先進国は発展途上国にごみを輸出する方法も取っています。
2020年のプラスチックくずの主な輸出先は、マレーシア(26万トン)、ベトナム(17万トン)、台湾(14万トン)、タイ(6万トン)*

しかし、設備や環境の整っていない発展途上国では、プラスチックくずを選別すること自体が難しく、結局リサイクルされないまま埋め立てられ、それが川や海へ流出し、海流に乗って全世界へ広がっています。
きちんと分別できていなかったり、食べ残し等汚れがあるとリサイクルできないそうです。

そして残念ながら、日本がプラスチックくずを輸出している東・東南アジア地域は、ゴミの海洋流出が激しい場所です。

日本の海岸でも、外国語が書かれた漂着物を見ることがあります。
同じように、日本のプラスチックごみもどこかに流れ着いているでしょうし、海に漂っていたり、海の底に沈み、私たちのゴミが環境や生態系に影響を及ぼしています。

*プラスチックのくず(廃プラスチック)および古紙の輸出統計|公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会 (jcpra.or.jp)

「ゴミ箱に捨てて終わり」ではない、環境問題

私たちにしかできない、海洋環境のためにできること

プラスチックが多い世界を見直すために、私たちが一番身近にできることは、分別をきちんと行い、プラスチック製品やプラスチック包装がなされているものをできるだけ買わないことです!

「なんだ、そんなことか」なんて言わないで、少し考えてみてください。

プラスチックを作ったのは私たち人間で、自然素材のように生分解されないこと、資源を大量に消費していることが問題です。
動物も大自然も、プラスチックをなくすことも、私たちが使うのと同じ様に資源を作り出すことはできないのです。
何を誰がすべきかは明白です。

海洋ゴミは、例えば海に直接捨てなくても、街で捨てられたごみが雨により河川に運ばれ、回収されないまま海へ行きつくことでも発生しています。
そして、マイクロプラスチックになると、その小ささ故に回収することが難しいそうです。
まずは、ゴミをきちんと捨て分別を徹底することが大切です!
もし街や近所でゴミをみつけたら、拾ってゴミ箱に。

そして何よりゴミの発生を抑えましょう。
プラスチックが使われているものを避けて商品を選ぶことって、今の日本ではとても難しいと思います。
そして、できるだけ個包装の商品を買わないとか、できるだけ紙や瓶のパッケージを選ぶとか工夫できることがあります!
他には、すべてがパッケージングされているスーパーマーケットではなく八百屋さんに行ったり、コンビニのお弁当ではなく週に一度は手作りをしたり。
他に何かできる工夫はありますか?アイデアありましたら、ぜひコメントくださーい!

もっと海洋環境のために役立ちたい!という方は、河川や海、または街中でゴミ拾い活動してみてはいかがでしょうか?
家族や友達を巻き込んで、環境活動ができます。

あなたもプラスチックとの関わり方、ぜひ見直してみてください。
それは、私たちにしかできないことです!

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