amiami_iroiro

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夜にしか咲かない花

世の中には、「No」が言えない人がいる。 「ドライアイス要りますか?」 スーパーのおばちゃんに尋ねられ、「はい」と答える。冬の日、歩いて15分のスーパーから帰るためにドライアイスなんて要らないのに。私は今日もドライアイスの機械の前に並んでいる。 昨日もそうだ。「レシート要りますか?」で断ったためしがない。特に記録している訳ではないのでゴミとして貯まるレシートの束。 社内組織の体制がガラッと変わったのが去年の10月。お世話になっていた前川先輩が産休に入ったのもその時期。ただで

    • Eve

      24日は朝から空気がふわふわしている。浮かれ気分とはよく言うものだが、今まで抱えてた悩み、苦しみがかる〜くなってふわふわ浮いてる。無くなったわけじゃないし、今までと同じようにそこに確かに存在はしているんだけど、パステルカラーの風船の中にすっぽり入って楽しそうに浮いて笑っている。 クリスマスイブの"eve"は、"夜"という意味で、"前"という意味じゃないらしい。だから厳密に言えば、24日の朝はクリスマスイブではないらしい。だから24日の朝から浮かれ気分でいるということは、フラ

      • 届かない どんなにどんなに望んでも 満月なのにも関わらず 完璧な円になれない貴方へ 貴方は今日は特別に 輝きを放っている 「綺麗」の言葉の意味は 傷がないことではない 「綺麗」の言葉の意味は 傷の一つ一つを愛おしく思うこと 髭男が言ってた 欠点がないものの欠点は 欠点がないこと 傷があるからこそ美しく 完璧な円でないからこそ愛おしい どんなに石が飛んできて どんなに石を飛ばしても 貴方はとても美しく 愛おしい そんな貴方が大好きで 抱きしめたいのに届かない 無慈悲

        • 映画感想文「君たちはどう生きるか」ネタバレ注意

          母親を亡くした少年。鬱々としている日々からの脱出。なんとかして自分の力で生きる希望を見出す。 という感じがテーマなのかな。 正直、私はよくわからなかった。わかる人にはわかるんだろうな。という感じ。 少し耳に入ってきたレビューたちに、「難しい」とか、「沢山考えさせられる」とか書いてあったから、頭を頑張って働かせながら観てみたけど疲れて途中眠くなった。 ただ、一つ一つのシーンの画は圧巻で、特に夕日のシーン、月夜のシーンは映画館で観て良かったと心底思った。 それにキャラクター可

        夜にしか咲かない花

          夏の夜、月を眺める。 頬を一筋の光が伝う。 ああ、もうこんなにも眠たい。 まだこの世に生を受けて少ししか経ってないのに。 悲しくて悲しくて、私は思いっきり羽を揺らす。 死にたくない!!! 隣のビルから、どしん、という音がした。 ああ、私はこんなにも生きたいと思っているのに。生の喜びを享受しているのに。 人間てのはおかしな生きものだ。 ほら、耳を澄ませばもっと聞こえる。 生きたいと願う仲間の声が。泣く子も黙る大声で。最期の最期までがむしゃらに。 三日月の夜、1匹

          私は日本人に生まれて心底良かったと思うわけですが、同時に日本人に産まれなかったらどれだけ幸せだろうと思うこともあります。

          私は日本人に生まれて心底良かったと思うわけですが、同時に日本人に産まれなかったらどれだけ幸せだろうと思うこともあります。

          オーパーツ

          オーパーツ : それらが発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる出土品や加工品などを指す。-wikipediaより 気がついたら布団の上にいた。 目がなんだかしばしばして手で拭うと、涙を流した後があった。気がつくと、さっきまで鮮明に覚えていた夢の記憶がさらさらと砂のようにこぼれ落ちていき、朝ごはんの卵をフライパンに割り入れる頃にはもう思い出せなくなっていた。 ああ、不思議な気持ちだな。 仕事のことを思い出し憂鬱になる。 その夢は、夜の海にいたところから始まっ

          オーパーツ

          魂壺1

          妻の葬式が終わり、やっと一段落ついた。 約1年間ガンと戦った妻が病院で息を引き取ったのは一昨日のことだった。それからは悲しむ暇もなく忙しかった。そして明日はついに火葬だ。ついに妻の体ともお別れしなくてはならない。そう思うと涙が止まらなくなる。子どもたちの手前、俺はトイレの個室にこもって1人で泣いた。 あくる朝、予定通り霊柩車が来た。俺は助手席に乗り、多くの親戚や妻の友達に見送られ、火葬場へと向かった。運転手は、妻の学校や職場の前を通ってくれた。心にじんわり熱いものが流れ込ん

          成功の秘訣は

          成功するために必要なことは2つしかない。1つは自信を持つことだ。もう1つはーーー 無知なことだ。 マークトウェインは言った。 無知であること。それは人生を上手くいかせるための大きな原動力になる。 ゴキブリとエビの殻の成分は同じであること。ドリンクバーはいくら飲んでも元が取れないこと。 自分はとてつもなく弱いことーーー 知らぬが仏なんてよく言うが、大人になるって知っていくことだ。目を背けたいような物事を、次から次へと抗い難い力でもって、容赦なく、知っていくこと。 だか

          成功の秘訣は

          色々あるが、色々ある。人生って意外と単純

          色々あるが、色々ある。人生って意外と単純

          季節を間違えた蝉

          冬の風がまだ残っている5月のある夜、私は蝉の鳴き声を聴いた。 タイミングが悪い。叔母も言ったし、母も言ったし、祖母も言った。タイミングが悪い。明日は歯医者だったのに。タイミングが悪い。こんな天気が良いのに。死ぬタイミングが悪いね。 あっという間だったよ。あまりに急な事で。ご愁傷さまです。お悔やみ申し上げます。ねえ。あまりに急でね。驚きましたよ。 焼香をしにきた「お客様」たちが口々に言う。「お客様」の素性はご近所さんだったり、遠い親戚だったり、祖父の仕事の取り引き先だった

          季節を間違えた蝉

          Some Results of Mind Experiments

          〖case1〗 さいしょは ちいさく どんどん おおきく ふくらんでゆく じゅうぶん ふくれる まわり に ぶつかる パンっ と はじける 〖case2〗 さいしょは ちいさく どんどん おおきく ふくらんでゆく じゅうぶん ふくらむ まわり に ぶつかる まわりも そのなかへ まわりと いっしょに どんどんおおきく きゅうに しぼむ よわよわしくなり ちいさくなる 〖case3〗 さいしょは ちいさく おおきさ かわらず ずっと

          Some Results of Mind Experiments

          アメリカのドッキリ動画 その2

          違和感の正体はたぶん、「正解がある」こと。 善悪がはっきりしすぎてて違和感があるのかもしれません。 人間はそれぞれ事情があります。 断った人は、本当にその日お金がなかったのかもしれない。騙された経験があったり、考えもつかないような「事情」の可能性がある。 お金を貸してくれた人は、偶然その日ボーナスが入ったとか、そもそもお金持ちだとか、その辺の違いが全く考慮されてない。 その事に違和感を覚えました。 もしそんな事情がなかったとしても、ガソリンをあげない人が「悪」、知らない人にあ

          アメリカのドッキリ動画 その2

          アメリカのドッキリ動画

          YouTubeを見ていたら、アメリカの動画で、YouTuberが一般人にドッキリをしかける動画が流れてきました。 内容はこのとおり。 場所はガソリンスタンド。仕掛け人の男が自分の車がパンクしたからガソリンをくれないか?と、給油中のターゲットに話しかける。 ターゲットとなる人は大抵中年女性。彼女たちは、「今お金は持ってないから無理。」「私が汗水垂らして働いたお金だから、あげることはできない」「家族を養わなきゃいけないからごめんね」と、断る人が多い。 しかし最後のシーンで、「

          アメリカのドッキリ動画

          考えるということ

          頭の良いオリバーと、同じく頭の良いサムがいます。 オリバーは勉強熱心で、1月に10冊も本を読みます。ジャンルはこだわらずに色々読むから、沢山のことを知っていました。 サムは本を読むことは苦手です。でも、人との会話が大好きで、毎晩飲み歩き様々な人と話します。特に彼は聞き上手。沢山のことを知っていました。 さてここで問題です。より頭が良いのはサムとオリバーの、どちらでしょう。答えはありません。 では、ここで3人目を紹介しましょう。サマンサです。彼女は本も特に沢山読みません。人

          考えるということ

          「モモ」を読んでます

          最近、耳が使えなくなったせい(※過去記事参照)で、電車でイヤホンを使えなくなった。にしても暇なので、本を読むことにした。amazonのKindle Unlimitedに無料体験で申し込み、いくつか気になってた作品を漁ってみた。 そしたら結構いい感じ。意外とスマホでも読める読める。知識や物語だけを追うんだったらいいかもと思った。 その中で、今、「モモ」という作品を読んでいる。途中までしかいってないが、これはハマる。モモ、という、人の話を聞くすばらしい能力を持っている女の子の

          「モモ」を読んでます