スピード vs 安全

ビジネスでも生活においても、我々は日々決断をしている。主な観点は「スピード」と「安全」の2つで、どちらをどれくらい考慮するか?で決断の質が変わってくる。
ことわざでも、
スピード重視:「思い立ったが吉日」「善は急げ」「案ずるより産むが易し」
安全重視:「転ばぬ先の杖」「急がば回れ」「石橋を叩いて渡る」
と、双方を大事にする考え方が存在する。

スピード重視派の人の傾向としては、「勘が利く」「行動力がある」「結果志向」であることが多いのではないかと思う。
一方、安全重視派の人は、「経験重視」「論理力がある」「プロセス志向」であることが多いであろう。
もちろん皆、決断する内容に応じて両方を使い分けており、言わずもがな、適度に安全な決断をスピーディーに行う判断を行いたいものである。ただ、これがなかなか難しく、一番良くないケースは「決断できない」ことである。

例えば、「今日傘を持って出かけるか?」「今日どこでランチするか?」「2軒目飲みに行くか?帰るか?」などに1時間以上かけて思考する人はほぼいないであろう。
逆に、「どの株に相応の財産を委ねるか?」「どんな仕事に生涯を投じるか?」「誰と結婚するか?」を数分で決められる人は多くないと思う。
お判りの通り、大事な決断ほど「安全」を取ろうと思考するものだ。なので、安全かつスピーディーに決断を行うためには、「大事な決断」をいかに早く出来るか?という観点で考えたい。

早く的確に決断を行う上でのポイントは、
①まず「決断タイミング(期限)」を決める
②次に「決断の方法(判断基準)」を決める
③期限までに判断基準に沿う情報を集め、最適と思うものに決める
④決断したら振り返らない
である。
株であれば、①いつまでにいくら預けるか?を決め、②好きな会社?儲かる会社?どのくらいのスパンで見直し?を決め、③どの株が合致するか?を決め、④買う、決めたスパンで見直しを行う、という流れ。
結婚であれば、①20代で結婚する!と決め、②相手に求める条件を整理し、③相手を探しに行き、④決めたら後悔しない、という流れ。
①を設定せずに決められない、②がないから決められない、③で「もっと時間があれば…」と考えてしまい決められない、④正しく決断してないから「もっと良い選択肢があったかも?」と気になってしまう、など。①~④を正しく実行すれば決断が出来るはずである。

ビジネスが大きくなればなるほど、成功体験が増えれば増えるほど、様々な経験をすればするほど、調べられる情報量が増えれば増えるほど、「決断できない」状態に陥ることは良くある。
そして「決断できない」ことは、現状維持より変革がより良い時代にこそリスクである。「決断しない」「変化しない」ことと「変化する」ことを平等に天秤にかけてあげれば、その善し悪しも分かるのではないか?
ぜひ皆さんが「小さな決断」からでも、スピーディーに決断できるようになり、変革が進んでいくことを望むばかりである。


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