「事業家」と「専門家」

餅は餅屋・・・仕事は専門家に任せるの一番であること。
このことわざの仕事における良さと悪さ・本質について考えてみたい。各々の知識/スキル等の強みをいかに活かすべきか?
「事業家」と「専門家」という二つで対比しながら書いてみたいと思う。

シンプルにするために少し極端な書き方をすると、
「事業家」は成果主義であり「成果を出せる量/質/スピード」がその成否のカギを握る。事業上の課題を的確に捉え、ヒトやカネ等のリソースを投じ、上手くマネージすることで、より多くの成果を得ることを目指す。
「専門家」は能力主義であり、「知見・洞察の広さ/深さ/成功確率」がその成否のカギを握る。モデル上の課題を的確に捉え、仮説と検証を繰り返し、成功するモデルへとUpdateし続けることで、より成功するモデル・手法を創り上げることを目指す。

双方が上手く融合することが出来れば、より早く・効果的に目的地に辿り着けるのだが、往々にしてすれ違いを生む。それぞれは違う思考・違う目的を追求してるからだ。
良くある例としては、
・事業家(が専門家に対して):「専門用語並べて良く分からない、何すれば良いか言ってくれ」「餅は餅屋、専門家ならその知見を活かしてうまいことやってくれ」など、自身に知見を取り込むことをせずに別々に走ることを促す。
・専門家(が事業家に対して):「理解力がない/意識が足りないから失敗を繰り返す」「私は理想を示すまで/リスク提示する役割」など、動かない理由を相手に押し付け、自身の仕事にこもる。

なかなか実現するのが難しいが、「お互いの強みを活かす!」にはどうすれば良いのか?基本は相互に「リスペクトし合うこと」と「想いを理解すること」だろう。
まず「リスペクトし合うこと」。どちらかが偉いのではなく、どちらも偉いと思う。専門知識がない中でも諸々の問題の対処を行いながら実績を上げていく「事業家」もすごいし、現実に妥協することなく理想を追い求めて知をUpdateし続けられる「専門家」もすごい。自身の尺度だけでなく、「相手の尺度」で何かを追い続けて来た人はすごい。そう思えると相手の言っていることが多少分かりにくかろうが、「相手から自分の持っていないものを得たい」と思える。
次に「想いを理解すること」。成果を上げることも知見を高めることも、いずれも手段であるため、目的は何か違うところにあるはずだ。成果を出して、それを大きくして、何を成しえたいのか?知を追求して、成功モデルを構築して、それを適用して、どんな世界にしたいのか?目的・ビジョンレベルの対話をすると、各々のこだわりは手段でしかないため、想いを一つにすることが可能になる。

そう考えると身近にいる人が「自分が偏見で見ているが故にすごさに気づけていないだけなのでは?」と思えて来ないだろうか?
皆様がそれに気づき、互いのリスペクト・理解が加速し、良い関係性が増え、前向きに・協力的に様々なことが発展していく世界になれば、と切に願っている。

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