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ヴィーガンアスリートは菜食に勝るのか

突然ですが、アスリートの食事といわれるとどんなものを思い浮かべますか?
茹でた鶏肉や大量のゆで卵、ブロッコリーなど、多くの人は肉や魚などを想像するのではないでしょうか。
そんな「アスリートに動物性たんぱく質は必須」という固定概念をぶち壊すドキュメンタリーがあったので見てみました。

Netflix<ゲームチェンジャー スポーツ栄養学の真実>

そもそもヴィーガン(完全菜食主義者)とは

環境問題やSDGsへの関心から、日本でもヴィーガンという言葉が少しずつ市民権を得てきているように思います。ヴィーガンは、「完全菜食主義者」と訳すことが多く、動物性の肉や魚の他、卵や乳製品なども口にしない食生活のことを指します。

この番組ではスポーツ栄養学の観点から菜食と肉食の違いについて解説しながら、スポーツ選手に菜食と肉食の食事を与えて、パフォーマンスへの影響を考察していきます。結論から言うと、この番組では菜食のほうがパフォーマンスに良い影響を与えることが判明しました。

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世界で活躍する菜食主義のアスリート達

番組では様々な記録を更新する菜食のアスリート達を紹介しています。
中でもウエイトリフティングのオリンピック選手であるケンドリック・ファリスは菜食主義に切り替えてから377キロのウエイトを持ち上げています。
また、世界一の怪力男と呼ばれているパトリック・バブーミアンは555キロの世界記録を持っています。
他にも菜食主義に切り替えてからパフォーマンスが向上した選手が多数紹介されています。

動物性たんぱく質が人間に必須というのは迷信か?

番組の中盤から「スポーツ栄養学において最大の誤りは動物性たんぱく質への過信だ。」という一言から菜食にまつわる話へ切り込んでいきます。

19世紀の科学者リービッヒは「筋肉のもとは動物性たんぱく質だ」と唱えました。
しかし研究が進み、実際に筋肉を動かすのは植物由来の糖質であることが判明します。

牛肉に含まれるタンパク質は牛が食べる植物に由来します。牛、豚、ニワトリも同じです。動物は単なる中継ぎであり、全ての動物性タンパク質のもとは植物ということになります。

肉食と菜食でそれぞれタンパク質の摂取量を比較した研究では、菜食者は必要摂取量の7割を超える量を摂取できていることが判明しました。1カップの平豆やピーナツバターサンドは85グラムの牛肉や卵3個に相当します。

番組の後半では、菜食と肉食で実際に身体を流れる血中に変化はあるのか血液検査を行います。結果、植物性タンパク質の食事では血漿が透明、肉食では白く濁った結果になりました。これは菜食のほうが内皮機能がうまく働いていることを指すそうです。

感想

私は一時期ダイエットのために完全菜食に切り替えたことがあるのですが、確かに疲れを感じにくくなったり集中力があがったり、予想外の効果に驚いたのを覚えています。
その為、プラントベースという概念やヴィーガン的な思想に興味を持っていたのでこちらの番組を見てみたのですが、

正直、かなり確証バイアスがかかっている番組だなと感じました。
菜食のメリットばかりにスポットを当てて、肉食のメリットには触れずむしろ肉食を下げるような構成になっています。

人によっては食事を完全菜食に切り替えると体調を崩すこともありますし、体質的に肉が合わなくて菜食を選択している人もいます。菜食が良いか肉食が良いかは断定することは不可能で、完全に個人の体質によるものだろうと思っています。

一概には言えない「食の選択」の分野で、どちらか一方を良しとしてそれ以外のものを下げるような物言いは誰も救わないのでは・・?

この番組を見て、肉食が悪いものだと思ってしまったり、ヴィーガンやベジタリアンに対するイメージが更に悪くなってしまうのではないかという懸念があります。

誰でも、自分が好んで選択しているものを否定されると気分が良くないですよね。肉食を好んで選択している人に菜食に少しでも関心を持ってもらう為には、楽しみながら知ってもらうことが大切なのではないかと思います。

例えばお洒落でおいしいヴィーガンレストランに一緒に行って、ヴィーガンフードの美味しさと驚きを共有するとか。今は肉に見劣りしないくらいおいしいプラントベースフード沢山ありますからね。意外と楽しいと思いますよ。

そのうち今まで行ったおいしいヴィーガンレストランの記事でも書こうと思います。

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