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【AMDlabってどんな受託開発してるの?】第一弾 パブリックトイレ自動設計サービスA-SPEC 前編

こんにちは!株式会社AMDlabの採用担当、加賀美早希です。AMDlabでは、これまでnoteでも紹介してきた自社サービス開発の他に、建築関係の会社さんからご依頼いただく受託開発も多数行っております。情報開示可能な案件について今後少しずつ紹介していきますので、AMDlabのこと、もっともっと知ってください!

第一弾としてご紹介するのはLIXILさん・髙木秀太事務所さんと共同で開発を進めているパブリックトイレ自動設計サービス、A-SPEC(エースペック)です。前編では、A-SPECの魅力をお伝えします。後編では開発者の想いや、使用している技術について等、ここでしか聞けない裏話を公開予定ですので、楽しみにしていてくださいね。それでは前編、始めましょう!


A-SPECとは?

パブリックトイレを自動設計するクラウドサービスです。システム上でトイレ空間の条件を入力し、トイレ内に設置したい器具を写真やイラストの中から選択するだけで、数万件ものアイデアの中から最適な設計案をいくつか提案してくれます。

最適案を探すA-SPEC

赤ちゃん連れに特化したトイレにしたい。車いすの方がとにかく使いやすいトイレにしたい。そんな時は、状況に応じて評価の高いプランを選ぶことが可能です。LIXILさんがこれまでの経験に基づいて作成した評価ルールがA-SPECに組み込んであり、その情報をもとに高評価のプランを教えてくれるのです。
車いすでスムーズに使えるかどうか考える際には、ブラウザ上の3Dモデルを使って、車いすの動きをシミュレーションすることが可能です。

車いすシミュレーション 
おむつ交換台を開けた時、閉めた時等細かな設定も可能

また、トイレ空間内に柱等の障害物がある場合は、障害物情報を予め入力することで、それを踏まえた設計案を出す機能や、2Dデータの書き出し機能は、設計者さんへのヒアリングを重ねて実装した、かゆいところに手が届く機能です。

A-SPEC公式サイト◇


LIXILさん、AMDlab 代表インタビュー

ここからはLIXIL A-SPEC開発リーダーの小松さん、弊社代表の藤井へインタビューし、プロジェクトスタートのきっかけや、A-SPECを使うことで、仕事がどのように変化したのか等を深堀していきます。

Q1.住宅設備メーカーのLIXILさんと、建築DX推進をメイン事業にしているAMDlab、どういったきっかけで繋がったのでしょうか?

CEATEC2022にて。A-SPECトークステージ終了後、左から弊社CTO 松原・CEO 藤井、
LIXIL A-SPEC開発リーダー 小松さん 、髙木秀太事務所 代表 髙木さん。

AMDlab 藤井:私たちを繋いだのは、弊社が過去に作成した駐車場自動設計のツールでした。テックブログでツールの概要を公開していたところ、LIXILさんから弊社の自動設計のノウハウでこういうことができないかという打診がありました。LIXILさんの方で既にいくつかのビジョンを持っておられ、私たちの技術でできそうだという実感もあり、話はスムーズに進みました。その後はプロトタイプを作成して実現可能性を確認し、着実に進めていきました。振り返るとかなりのスピードで実現したサービスだと思います。さらにスピードを上げ、より良いサービスにするために髙木秀太事務所さんとタッグを組んで現在は3社1チームで進めています。1つの会社のようなすごく良いチームが出来上がっています。

◇AMDlabテックブログ◇

Q2.A-SPECはどのような声から生まれたプロダクトなのでしょうか?

AMDlab 藤井:LIXILさんからお話を伺っている中で、設計の属人化解消や提案のスピードアップを目指されていることがわかりました。これらの課題はトイレに限った話ではなくて、建築設計を行なっていれば誰でもこの辺りの悩みは抱えているのではないかと思います。実際にトイレの設計者数名にヒアリングを行なっても、人によって進め方や評価が異なる点がいくつもあり属人化の一部を垣間見ました。ただどちらが間違っているというわけではなく、どちらも正解なのが難しいところで、この辺りはロジックを開発する際にも苦労しました。
また、世界的にみても日本のトイレのレベルは非常に高いです。ものすごく考え抜かれて、細かな配慮がされています。今回のような課題があがって、それを解決したいというのも、LIXILさんのトイレにかける熱い想いがあってのことで、私たちもその想いに共感し、是非一緒に取り組んでみたいと思いました。A-SPECには本当にたくさんの想いが込められています。

Q3.LIXILさんで実際にA-SPECを活用してみて、仕事にどのような変化がありましたか?

LIXIL 小松さん:弊社社内では、主に営業活動でA-SPECを活用しています。多機能トイレの計画に関する設計者様の困りごとに対して、「持ち帰りで社内の専門部署に確認することなく、その場でいっしょに考えて提案できるため、営業活動時間の短縮はもとより、設計者様の時短に大きく貢献し、喜んでいただけている」という声を聞いています。
また、設計提案は知識・経験を必要とするため、これまでなかなかチャレンジできていなかった営業からも、「A-SPECを使うことで自分でも設計提案できるようになった」と、働き方を変革している様子が全国で聞かれるようになりました。

Q4.A-SPECは既にLIXILさん以外の会社でも活用されていると聞きます。どんなお声が届いていますか?
LIXIL 小松さん:
A-SPECの主な利用者は社外の設計者様です。利用実績は右肩上がりで、A-SPECの有効性を認識してくださった設計者様が日に日に増えているのを実感しています。多機能トイレの空間設計で利用されているのはもちろんのこと、商品の選定や図面作成時の元データの収集、商品画像の収集など、設計以外のシーンでも活用しているという声を耳にするようになりました。おむつ交換台やベビーキープなどの製品提供元のコンビウィズ様では、社内の営業活動でA-SPECを活用してくださっているそうです。我々が当初想定していた範囲を超えて活用シーンが広がってきています。


設計時だけではなく、営業やデータ収集等、幅広いシーンでA-SPECが使われているのには驚きました。これから先、より多くの方にA-SPECをご活用いただくことで、想像を超える価値を生み出すような気がしています。

AMDlabは、「建築をつくる人を、笑顔にする。」をテーマに活動を続けてきました。弊社が関わったプロダクトが実際に建築をつくる人の働き方を変革していることは、会社冥利に尽きます。弊社が発信しているテックブログに目をとめて、お声かけいただいたLIXILさん、そして、共同で開発を進めてくださっている髙木秀太事務所さんに改めて感謝申し上げます。


読んでいただき有難うございました。
明日公開する後編は、A-SPECの共同開発社である髙木秀太事務所 代表の髙木さんと、プロジェクトの初期段階よりエンジニアとして開発に携わり、現在はプロジェクトマネージャーを務める弊社の柴田にインタビューをしていきます。実際にA-SPECを使用してみた際の感動ポイントもご紹介しますので、是非また覗きにきてくださいね。


◇インタビュー回答者プロフィール◇
 小松 紀明(株式会社LIXIL)

2001 年に法政大学建築学科を卒業。2003 年に同大学院を修了後、株式会社 INAX(現::株式会社 LIXIL)に入社し、情報システム部門で図面関連システムの開発を担当。リーダーとして自動作図システムの開発に従事。2018 年より現職、スペースプランニンググループ デジタルイノベーションチームにて、パブリックトイレを自動設計するクラウドサービス『A-SPEC』の企画・開発を行っている。A-SPEC プロジェクトリーダー。

藤井章弘(株式会社AMDlab)
株式会社AMDlab 代表取締役CEO/一級建築士/建築情報デザイナー/構造家。神戸大学大学院を修了後、株式会社松田平田設計で構造設計者として従事。2019年に大学の同期である松原昌幹と共にAMDlabを設立。最新テクノロジーを用いたアプリケーションを開発し、建築業界のDXを推進している。

◇会社サイトリンク◇





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