以前、彼女と家の近くのコンビニに行ったら、こんなのがあった。

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 幼少期は車が好きでトミカもたまに買ってもらっていたのだが、久々に見ると懐かしい。その中で一際目立つのがこれだった。彼女が動物好きで、彼女の目に留まるのに時間はかからなかったが、私も彼女の影響を受けて動物関連のものに興味を持っていたのでこの商品に興味を持った。

 そもそも、パッケージから突っ込みどころが。そもそも動物を運搬するのに囲いもなくて安全に運搬できるのか? ただ人工芝のようなものが敷かれ、パンダ3匹が大人しく乗せられている。どんなにゆっくり運転していたとしてもパンダが落ちずに大人しくそこに留まってくれる保証なんてないのに。それに、パンダのサイズ。トラックの大きさに比べてあまりに大きくはないか? 大人のパンダが座った状態で、トラックの高さの2/3を占めているように見える。座った状態でも2mはありそうだ。ジャイアントすぎるパンダだ。

 ちなみに、ウィキペディアによると、大人のパンダが立った状態で170cmだそうだ。

 見つけた時は買うか否か迷い、結局買わなかった。しかし、その翌日同じコンビニに行ったら、そのトミカはなくなっていた。これに私たちは驚き、「これを買っていく人がコンビニにいただと……?!」と顔を見合わせた。初めて見た時、もう一回見てみて欲しかったら買おうという話だったが、売り切れてしまったらそれもおじゃんである。

 だが、後日東京駅のタカラトミー専門店を通りかかったので寄ってみたところ、同じ動物運搬車が売っていたので、これは運命だと思い即購入。コンビニで売り切れていたのを知ってから私たちはすでに諦めていたが、これを見せて彼女の喜ぶ顔が見たかった。

 そして、中身を取り出したものがこちら。

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 かわいい。

 でも相変わらずパンダはトラックに対してあまりに大きすぎるし、ゲージのようなものがなくいつでも落ちてしまうようになっている。しかもトラックの頭頂部に『熊猫(ぱんだ)』と書かれている。実際にそんなトラックがあったとしてもほとんど目に留まることはなさそうだ……上空を飛ぶヘリコプターやドローンカメラくらいか。トラック部分とパンダ部分の取り外しは容易にできるようになっていて——というよりも取り外し易過ぎて、きっとこれが実際に走っていたら、発進と同時にトラックとパンダは切り離されると思う。まぁそれはそれでパンダにとっては安全かも。

 この微妙に、ちょっと考えてみたら現実感のない箇所がたくさんあるところに脱力感があって面白い。私が幼少期の頃は、トミカは実在する車をリアルに再現したものしかないと思っていたが、それだけではないようだ。他にも、ピクサー・アニメーションのカーズのトミカや、機関車トーマスのトミカまであるそうだ。それらはもう完全にフィクションだが、この動物運搬車のようにリアルに再現しているようで実はしていないようなものもあって、それが私たちを惹きつけた。

 パンダの3匹の配置が良い。まず中央にお母さん(と思われる)パンダがいて、1匹の子パンダはお母さんに甘えるように寄りかかり、もう1匹はマイペースにそっぽ向いている。ただのトミカ1台に多くの情報量が含まれていて、見ていて楽しい。そしてかわいい。

 これは今も彼女の家に飾られていて、パンダを運搬し続けている。

 

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