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オンライン旅行会社分析③ オンライン旅行業界はどんなかんじか?

今回は " オンライン旅行業界 "をみてみる


 前回に引き続き、今回もオンライン旅行会社を分析していきます。前回は寄り道という事で日本の旅行動向をみていきましたが、今回ははなしを戻して本筋の ” オンライン旅行業界 ” をみていきます。

ところどころOTAという言葉が出てきますが

OTA = Online Travel Agency
 →オンライン旅行取扱業者(日本でいうじゃらん、楽天トラベル)

※前回はこちら↓

まずは、オンライン旅行業界の全世界の売上動向


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 旅行自体が成長産業、かつ、オンライン化率が上昇しているのを前々回確認したので当然ですが、オンライン旅行業界の売上はCAGR(年平均成長率)10%という高成長で現在75兆円を超える市場となっています。また2020年には現在の約+20%も拡大していく予測です。大変好調な産業ですね。

 ではその売上構成をみてみましょう。まずは地域別をみてみます。

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 アジア・北米・ヨーロッパの3強となっています。ただ、アジアの成長が著しく今までNo1であった北米を抜きNo1に躍り出ました。また今後も強い成長が予想されており、オンライン旅行市場はアジアが牽引していく構図です。

 ただこれだけ成長を遂げているオンライン旅行ですが、そのオンライン化率はどうなっているのでしょうか?

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 北米はここ数年ほぼ変化なく飽和気味です。ただもう旅行の50%がオンライン化されていますね。これに対してアジアやヨーロッパは今後もまだまだオンライン化率を拡大していく見通しで、旅行自体の成長とオンライン化率の拡大という2つの成長源でオンライン旅行を成長していく事になります。

 次にもう少し細かく国別で売上をみてみましょう。

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 常にアメリカが1位、中国が2位で2強状態です。しかし中国の成長は著しく今後1位のアメリカを追い抜く可能性大です。我らが日本は4位で善戦していますね。この事から、地域別で確認した3強の2つ北米、アジアはほぼアメリカ、中国と置き換えることが出来ます。

 それではこのアメリカ、中国と残る1つの強者地域のヨーロッパでのオンライン旅行業者のシェア率をみてみましょう。

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 北米はExpedia、中国はCtrip、ヨーロッパはBooking(以前の呼び名はPriceline)が圧倒的な地位を築いています。各地域で異なる3社が王者として君臨している構図です。

次にOTA市場

 このような状態であるオンライントラベル業界(OTA)のマーケットシェアはどのようになっているでしょうか?

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 1位=Booking、2位=Expedia、3位=Ctripの3強状態= ” BIG3 " 。3社でシェア90%という超寡占状態市場

 これは余談ですが、日本でのOTAシェアを参考にみてみましょう。

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 国内(世界4位市場)では楽天トラベル・じゃらんの2強状態です。かろうじてExpediaが入っていますがその割合はかなり小さいですね。

 さて話は戻して、このBIG3の売上を確認してみましょう。

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 BookingとExpediaは100億ドル(≒1兆円)超え、Ctripはまだ50億ドルと今のところはこのBookingとExpediaが強い状態ですね。

 そのBIG3のこのOTAが大きく成長した10年の市場からの評価をみてみましょう。

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  Bookingの1人勝ち状態で、ExpediaとCtripは市場平均を下回る結果となってます。※この3社は皆NASDAQ上場企業

 市場からの評価を直近の5年間で再度みてみましょう。

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 直近5年でみるとBIG3は市場平均をアウトパフォームしていかない結果となります。Bookingはまだよいですが、ExpediaとCtripは大きく市場平均を下回る結果です。この事から近年はOTA市場自体に対して、市場から大きな評価を得られない状態であるといえます。つまりは大きな成長を期待されない状態と言い換えれます。

 なぜそうなっているかを知る為に、BIG3の売上成長をみてみます。

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 3社ともに成長速度が大きく低下し成熟に近づいていて、Ctrip以外は10%をついに下回りました。Ctripは成長性の高い中国で君臨しているので成長率がまだ高いです。残り2社はたしかにまだ成長を続けていますが、その成長性はNASDAQの他の企業に比べれば見劣りするということですね。

 ではこのような評価となっているBIG3位の時価総額をみてみましょう。

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 Bookingが圧倒的で約900億ドル(≒9.9兆円)、残り2社は約200億ドル(≒2.2兆円)をやや下回る結果。

 

 まだまだ成長過程であるCtripは置いておいて、売上の規模と現在の成長性も近しいBookingとExpediaでどうして5倍近く時価総額が異なってしまうのでしょうか?

次回はこの差が何から生まれるのかをみていこうと思います。

今回は以上となります。ありがとうございました!

つづきはこちら

※追加:コロナで旅行業界はどうなったか?(もし良ければコチラも)


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