※'24年11月03日更新【図解】企業分析_GAFAMの最新決算をみてみよう① ~まずは全体でみてみよう~
今回は先週GAFAMの2020年度の決算が全て揃いましたのでそれについてみていきたいと思います。このコロナ禍であっても世界最高の企業であるGAFAMの業績がどうであったかを見てみたいと思います。
まず第1回目としては、とりあえず代表的な数値をGAFAM全体で比較していきたいと思います。2回目以降で個別にその決算の中身を見ていく予定です。
念のためにですが
※ちなみに過去数年のGAFAM状況は↓
― 2024/11/03追記 ―
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それでは見ていきましょう!今回は決算の概要なのでスライドメインで行きたいと思います。
GAFAM / FY20決算概要
成長性
まずは成長性の見極めとして売上を見ていきます
GAFAMは全くコロナの影響を受けていないかのような堅調な成長を示してます。特にAmazonは驚異的な成長を遂げこの1年で10兆円超も売上を伸ばしました。信じられない成長性です。トレンドだけでいえばGoogle、特にFBの成長が成熟してきた感じがします。
収益性
収益性としては本業の儲けである営業利益をみていきます
GAFAM全て増益、よって今期はコロナ禍であっても増収増益となっております。このような状況でそうあれるとは驚異的な存在ですね。
また今回ついにMicrosoftがGAFAM内で営業利益率(利益に変換する力)がNo1になりました。近年のMicrosoftはサティア・ナデラCEOの下でかつての輝きを完全に取り戻し、いや、それ以上に輝きを放つ企業に成長を遂げてます。本当に素晴らしいですね。
次に、この営業利益の源泉である粗利率をみてみましょう
GoogleとFBの粗利率の低下がこの5年でずっと起こっています。特にGoogleの低下は大きく見えます。広告収益を得るのに昔よりも競争が激しくなっているからなのでしょうか?この点は今後も注視が必要ですね。
次いで企業の成長にも関わる研究開発費への支出状況も確認しておきましょう。
GAFAM全て毎年研究開発費を増加させています。方や日本で最大の研究開発費を投じるトヨタは毎年一定の額しか投じれていません。その結果GAFAMとの差は拡大。研究開発費だけでは語れませんが、少なくともIT技術の差はもはや追いつけないレベルになっていると感じます。自動車業界で起こっているソフトウェアファースト時代でもGAFAMが主導権を握りトヨタの存在感はなくなってしまうのか?ここからが正念場なのでしょう。
それにしてもAmazonの研究開発への力の入れようはGAFAMの中でも群を抜いてますね。この成長投資への姿勢が今期の圧倒的な成長性を形にしたのでしょうね。
利益はあくまで解釈であるので、今回の活動の結果一番大事なキャッシュはどれだけ生み出されたのでしょうか?
なんと、ついにAmazonがGoogleを抜きます。ECとはいえ本質は小売業であるAmazonがGoogle以上のキャッシュ創出力を産み出す日が来るとは。。。キャッシュフロー主義のAmazonだから出来た技なのか?今期はAmazonの業績の異常さが特に目立つ決算だといえますね。
効率性
最後に効率性としてROICを見ていきます。ROICは簡単に言うと調達した資金をどれだけ効率的に運用できてますか?を表しています。企業を投資会社とすると、預かった資金の1年間の利回り(運用成績)=ROICです。本質的にROEよりも、その企業がお金を効率的に使えているかを表します。
まず一般的な見方である利益ベースでみると、みなROICは10%以上、Appleは35%と驚異的。AppleとMicrosoftは年々改善しています。
次に本質的には一番意味のある見方のキャッシュベースのROICをみてみます。GAFAMすべて30%以上と大変高いです。これはつまりGAFAMにお金を預けると来年には30%現金を増やしてくれる事と同じです。そんな中でもAppleは50%とは大変高い効率性ですね。
ROICは上記のように分解でき、収益性は先述の通りですので回転率をみていきましょう。
Amazonが最も高いですが、Appleの改善のスピードも速いですね。Appleは収益性一定でしたがこの回転率の向上でROICを高めているといえますね。詳細は個別の分析でみていく予定です。
最後にこれだけ収益性や効率性の高いGAFAMには当然ですが多額の金融資産を保有する事になります。といっても毎年多額の配当や自社株式買いをしているのに。それがどれだけあるか見てみましょう。
なんとAppleとGoogleは日本時価総額No3にSONYが買えてしまう程の金融資産があります。Appleに至ってはNo2のソフトバンクGも買えるほどあります。最下位のFBでさえ約7兆円も保有してますので日本の15位以下くらいは買えるレベルで、それはなんと三菱東京UFJが買えるレベルなのです。
今回は以上となります。
次回は個別にみていきますので、引き続きよろしくお願いします!
※つづきはこちら
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