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本当は1人で全部食べたいポテトサラダ【和食・うろこ雲@世田谷駅】

今回は、世田谷駅の和食屋さん『うろこ雲』
先日書いたカレー屋・ハッチャーソンと同じビルの1階にある。

『うろこ雲』は秘密にしておきたいとっておきのお店。とは言え、すでに人気店だし、とても黙ってはいられない美味しさ。なのでとことん書いてしまおう。

お食事メニューは定番と季節ものがある。日本酒をはじめとしてお酒の種類も多く、ドリンクメニューも豊富。


照りの美しさが際立つ「長芋のもっちり揚げ」

こちらは定番メニュー。初めて行った日から、毎回注文している。

太めにカットされた長芋に片栗粉をまぶす大将の所作に見入ってしまう。
長芋全体に粉をまぶし、付き過ぎた分をはたいて落とす。隙間なく粉をつけたら、さっと油の中へ入れる。
一連の流れに無駄がなく丁寧で、毎度見惚れる。

揚げた長芋にお醤油ベースの甘じょっぱいタレを絡めて、青のりをたっぷりかける。ところどころに現れる照りの美しいことよ。

周りはもっちり、中はさっくり。
ふわふわの青のりがねっとりと香ばしい醤油の衣と交わり、磯の香りを漂わせる。
熱々ホクホクの長芋をひたすらに噛みしめる幸福感。

たまには違うものも食べようと思うのだけど。この幸福感が忘れられず、どうしても注文してしまう。


シンプルイズベストの極み「自家製ポテトサラダ」

こちらも定番メニュー。

このポテトサラダに使われているのは、じゃがいもだけ。
あとは、上に3枚の自家製ベーコンが乗っている。

不要なものはとことん削ぎ落とし、じゃがいものみで作るからこそ、素材そのものの味を感じられる。季節によって、ねっとりした深い甘みだったり、あっさりほくほくの柔らかい味だったり。
シンプルイズベストの極みってこういうことなんだな。

ベーコンは燻製されている。ひとかじりするだけで、強めの塩気と燻製の香りが口の中でモクモク広がる。
ベーコンとじゃがいもを同時に口の中へ入れた時が至福。
でも、ベーコンが乗って燻製の香りが移ったじゃがいもだけを食べるのも好き。

あと、何が最高って、ポテトサラダなのに温かいこと。食事の中盤に登場するほんのり温かなじゃがいもが、心へ身体へと沁みわたる。

三等分したポテトサラダ

ポテトサラダはいつも夫と娘と私で三等分する。きちんと三等分に取り分けるけれど、心の中で「私1人で全部食べられるな」と毎度思う。
食べ終えた後は「1人で丼3杯はいけるな」と思っている。

おそらく、人生におけるマイベストポテサラだ。


新しい扉を開いた「ヒラメの煎り酒びたし」

こちらは季節限定メニュー。
正確なメニュー名は忘れてしまったが、ヒラメのお刺身を煎り酒(いりざけ)に浸したもの。

興味本位で頼んでみたらあまりに美味しくて、うろこ雲を思い出す度にこのメニューが頭に浮かぶ。

少しトロッとした煎り酒を全身にまとうことができるのは、淡白な白身魚の特権だろうか。口に入れた瞬間から煎り酒の旨みがジュワーと染みわたる。

この煎り酒、甘みと塩みと酸味を全部感じるのに全てが優しく溶け合っている。もちっとしたお刺身を噛み締めるたび、ヒラメと煎り酒のダブルの旨みがむぎゅっと溢れ出してくる。
煎り酒の中でプカプカと心地よく浮かぶヒラメを妄想してしまった。

私、ヒラメの最も美味しい食べ方を知ってしまったのではないか。
新しい扉が開いた気がした。


偉大なる「ウニと木の子のバター土鍋ごはん」

書いてみて思ったけど、これは名前だけで優勝しているのではないだろうか…。

いや、ビジュアルでも美味しさが爆発しているな。

木の子とバターだけでも強いのに、そこにどっぷりとウニが乗る。それを惜しげもなく混ぜ込んで至極の一杯が生まれる。

たっぷりの木の子は独特の食感と芳醇な香りを醸す。口に入れると醤油の香ばしさが先に立ち、すぐにバターのまろやかさが追いかけてくる。どこからともなく広がってくるウニの甘さがたまらない。アクセントとなる青ねぎは、濃厚な役者たちに爽やかさを加える。

ここまでくると、お米の偉大さを感じざるを得ない。
これだけの濃いメンツを全て受け止めてひとまとまりにして、それぞれの美味しさを引き立てるなんて。はっきりいって偉業だ。

最期の晩餐はこれがいいかもと
真剣に思っている

この土鍋ご飯には出会う確率が高いものの、必ずしも毎回あるわけでもない。だから、メニューにあるとついつい頼みたくなってしまう。

食べきれない時は持ち帰ることもできるのが、また嬉しい。


その他も美味しすぎて困る

他にも紹介したいものがたくさん。というか、行くたびに美味しいものに出会っている。

「太刀魚のお刺身」

太刀魚が苦手だった祖母が、何かのきっかけで一番好きな魚になった。と、よく聞かされていた。そんな思い出も込めて注文した一品。
炙られた皮の香ばしい香りとしっとりした身の柔らかさが、想像以上に、むしろ抜群に美味しくて。小1の娘にほとんど食べられてしまうというまさかの事態が起きた。

「めひかりの唐揚げ」

生きているかのような美しい姿で鎮座するめひかり様。
外はカリッカリで、身はふわっふわ。しっかり効かせた塩気がとても良い塩梅。
と言いながら、これもほとんど娘に食べられた。

「小さいうちから色々食べられるなんていいことだ」と思いつつ、「大人になったらとんでもない酒飲みになりそうだ」と思いながら見ている。

秋刀魚と木の子と三つ葉の土鍋ごはん
たっぷりいくらを乗せて

他にも、おかかのおむすびやあおさたっぷりのお味噌汁、種類豊富なお刺身にお肉のロースト、季節のお野菜の一品、鶏肉と生姜の炊き込みご飯など、どれを食べても皆おいしい。
あぁ、書いていると食べたくなる、なんとも罪深いお店だ。

気になる方は是非一度行っていただきたい。
メインはカウンター席、テーブル席は1卓の小さなお店なので行かれる際には予約がオススメ。

この記事を書くにあたり、大将からはご自由にとの許可をいただいたが、ただ1つ「可愛く書いてね」との言伝が。

可愛さは出せなかったけれど、大将のその言葉が一番可愛いので、ここにこっそり載せておきます。

うろこ雲
東京都世田谷区世田谷1-15-12 1階
℡03-6338 -3935
月〜木 17時頃-0時
金・土 17時頃-翌3時
定休日:日曜、祝日の月曜
(2024/6/4現在)

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