天野うずめ@お仕事募集中!

天野うずめと申します。大学生です。 シナリオを書いています。 旅をする人です。 お仕事…

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天野うずめと申します。大学生です。 シナリオを書いています。 旅をする人です。 お仕事募集中!

最近の記事

小惑星の夢

 月の記憶を覚えている。  暗い宇宙を漂うボクの目の前に、突然現れた淡い光。  焦がれて惹かれて、ボクはその人の虜になった。  夕日の映える窓辺に座る輪郭も、柔らかな眼差しで活字を追う姿も、貴女の一挙手一投足全てが美しく見えた。ずっと暗い宙を漂ってきたボクにとって、淡い月光ですら見るのに眩しかった。 〇 「こんにちは」  放課後の図書室。ボクと彼女の二人だけ。どうやって貴女を見つけたのかも分からない。ボクの視線に気づいた貴女は、目を逸らすでも無視するでもなく、穏や

    • カモノハシに卵を運ぶ仕事。

       私は国から与えられた極秘の仕事で生計を立てている。  その仕事とは、カモノハシに卵を運ぶ仕事である。餌として卵を与えるのではない。文字通り、彼らに子どもを授ける仕事だ。  彼らに卵を運び、彼らが卵を孵す。そうすると、彼らの赤ちゃんが生まれてくるのだ。これが誰も知らないカモノハシの秘密である。  カモノハシは何とも奇妙な生き物だ。  クチバシがあるし、水辺で生きるし、言葉も話す。そして何より、自分の産まない卵から孵る。 「こんにちは、今日の分の卵を置いておきますね」

      • 風を掴む

        「私、カモメになりたいの」 妹は言った。 その時は俺もあまり深刻には考えずに、ふーんと軽く受け流しただけだった。 数日後、コツコツと不思議な音でノックしてから部屋に入ってきた妹の姿を見てぎょっとした。 「私、カモメになっちゃった」 妹はカモメになっていた。 それはどこからどう見てもカモメであった。流れるような曲線。つるりとした真っ白の羽毛。思いのほか小さな体躯。紛う方なきカモメであった。 「どうしてカモメなんかになっちゃったの」 何かやんごとなき事情でもあった

        • ほぼすべてがローマ字で書かれた小説

          "mosi" koe wo kake rarete, boku ha omowazu hurikaetta. soko ni tatte ita no ha, hitori no roujinn de, yoku yoku mite miru to atama ni se no takai sirukuhatto wo kabutte ita. tosi oita youna, sou demo nai youna, husigi na hunniki wo kamos

          小説『夏の恋文』

           その封筒を見つけたのは、先日亡くなった祖母の遺品を整理している時だった。  生前、祖母が大事そうに押し入れにしまっていた葛籠。綺麗に整頓された箱の中に、その手紙はぽつりとあった。  祖母は友人が多い人だったから、手紙のやり取りなどもしょっちゅう行っていた。まあ、だからこれがもし普通の便箋だったなら、特に気に留めたりはしなかっただろう。  ただ、取り分けてこの手紙に興味を惹かれてしまったのは、この一通だけが他とは別によけられていたというのと、封筒には宛先はおろか、差出人の名前

          どうしようもない程の感情に襲われて─『3月のライオン』 川沿いに”望む”町を歩く

          川沿いの町の景色を見たいな、と思った。 ちょっと色々不安定になってる時期だった。 勉強のことや、将来の事。色んな不安が重なって、沸々とずっと燻っているような気持ちをどうしたらよいか分からなくて。 あるでしょ?そういう時。 メンタルブレイクっていうか。 ちょっと心がぐちゃってなっちゃってる時期だった。 特に、自分が”これで食べていきたい”って思っている世界には、自分よりもすごい人がたくさん居て、すごいだけじゃなくて物凄い速度で次々と新しいものを生み出していて。そういう

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          十五夜。ちょっと不思議なお話。

          中秋の名月。 十五夜でしたね。雨の予報でしたが、良い感じに晴れて満月を見られたという方もいらっしゃったかと思います。 月が出てる晩はなんとなくゆったりとした……だけど内側で何か昂っているような気持ちがしてきます。 そんな気持ちでしたので、 十五夜、お月さまが綺麗な晩に、男の子が外に冒険に出たとして。何か不思議な出会いを果たす物語。 と銘打って、ツイッターでつらつらと掌編を書いていました。 折角なのでここにも載せようかと思います。 子ども向けの絵本のような、童話の

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          天野うずめのポートフォリオ

          天野うずめです。 自分が今まで手掛けてきた/参加した作品をここにまとめていきます。 駆け出しですのでまだ少ないですが、どんどんと増えていってほしいです。 ■『トイレットペーパークエスト』主人公は村にすむ普通の青年。 ある日トイレに行ったらトイレットペーパーが切れた。 しかしお店に行っても売ってない? どうやらコロロウイルスという未知なるウイルスが蔓延しているのが原因みたい……。 主人公はどうやってトイレットペーパーを手に入れる? フリーゲームです。持ち寄ってもらった企画

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          天野うずめってどんな人?

          文章を書く、言葉を紡ぐ、表現をする。そんなことをしてる人です。ヤバいくらいの甘党。 こんにちは。天野うずめです。駆け出しのシナリオライター兼、色んな文章を書く仕事をしています。 天野は「あまの」って読みます。 「ゆめって、あたる?」「もちろんよ。いつも、すてきなことが」 (『ムーミン谷の夏まつり』より) 初手ポエムは基本。 シナリオライターとして歩み始めたは良いものの、駆け出しの自分にお仕事が来るのか……でも色んな作品を手掛けたい......。 そんな自分を表して

          天野うずめってどんな人?