"DX"に感じるモヤモヤと私なりの見解
DX、デジタルトランスフォーメーション。
このビッグワード、バズワード、なにかモヤモヤするのですよね。そのモヤモヤの正体が自分なりに分かってきたため、発信します。
1つ目のモヤモヤ:キラキラさせ過ぎ
ITベンダーや広告代理店主導の文脈において、ある意味仕方ない部分もあるとは思うのですが、なんていうかDXをキラキラさせ過ぎ。
DXというと、キラキラなマーケティングストーリーや新サービス開発ストーリーやビジネスモデル変革ストーリーばかりがチヤホヤされる。
なんていうか、宇宙の彼方の遠い星の話にしか聞こえない。
一般ピープルには実感が沸かないですし、他人ごとにしか思えないですよね。
マーケティングやビジネスモデル変革だけが、DXではないでしょう。
それよりも、身近な不便や、不便と気づかない不便から解放されるほうが一丁目一番地としては大事では?
以上はDXを発信する側の問題。
2つ目のモヤモヤ:思考停止する人多すぎ
続いて、DXを受信する側(企業の経営者、部門長、組織のメンバーなど)の問題。
DXって言葉に対し、食わず嫌いし過ぎ。思考停止し過ぎ。
「DXってイメージ湧かない」
「DXって良く分からないし、自分には関係ない」
ちょっと待ってください。
これだけ新聞やインターネットのニュースメディアなどで「DX」がマネジメントキーワードとして叫ばれ続けていて、かつ政府も「デジタル庁」などを創設する動きをしているにもかかわらず、無関心決め込むってビジネスパーソンとしてどうなんですかね?
それって学習放棄、成長の放棄では?
少なくとも、経営者や部門長や管理職がそれではダメでしょう。
受け身な殿様姿勢ではなく、時代のマネジメントキーワードは自分なりに理解する努力、学習して意味づけする努力をする必要があります。
(あるいは組織は、経営・管理職・メンバーに対しその機会やスキルを提供する責任があります)
DXをゆるくとらえてみよう
キラキラのマーケティングストーリー、新サービス開発ストーリー、ビジネスモデル変革ストーリーはいったん忘れましょう。
それよりも、日常の伝達・調整業務、事務作業などの間接業務を削減およびデジタル化した結果、利益も賃金も落とさず(あるいはむしろアップして)週休3日が可能になった。
そういうところから目指しませんか?
それって、組織にとっても働く人たち(not only 従業員, but also 間接業務に付き合わされる取引先や顧客など)にとっても、ハッピーですよね。
組織と働く人たちのペインポイント(課題、悩み、痛み)を発展的に解消する。そこ目指しませんか?
そういうのも立派なデジタルトランスフォーメーションだと思うし、そういう取り組みこそ増えていって欲しいです。
ちょうど、ITmediaビジネスオンラインに、こんな良記事を発見しました。
めっちゃ、リアリティありません? こういうのこそキラキラしない、地に足の着いたDXだと思うのですよ。
ちなみに、私も「週5日×8時間も働かなくても、十分な収入を得られて人間らしく生きられる社会構造」を理想に掲げており、書籍『バリューサイクル・マネジメント』でもその社会をどう作っていくかを語っています。
宜しければ、この本片手に、各組織や各部署がどうトランスフォームしていくかをディスカッションいただけたら嬉しいです。
▼書籍『バリューサイクル・マネジメント』~週5日×8時間も働かなくても良い組織、良い社会をどう作っていくか?
(講演のご依頼も多数いただいています)
▼『組織変革Lab』企業・行政向けオンライン越境学習プログラム
▼『沢渡あまねマネジメントクラブ』個人向けオンラインサロン