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あの時のグラスの正体!

はいこんにちは、オタクですよ。

あなたには、一昔前に不明だったことが、突然判明するようなことってありますか。
ヴィンテージグラスにはままあることなんです。

傷らだけのラスター

これ、私の愛用マグです。もう10年以上使っています。
このグラス、26歳の時に買ったんです。(微妙な年齢のぼかし)
御覧の通りミルクグラスですね。ちょっと詳しい方なら
「あー知ってる。ファイヤーキングのでしょ。そのオレンジの」
と思われると思います。
ですが、実は違います。

まず、バックスタンプがない。

数字だけ入っている謎

そして、形も違う。このくびれのないマグは、ファイヤーキングにはないんですね。

飼い主に似た寸胴

でもグラスベイク社には同じ形があることが後から判明しました。それでも、グラスベイク社のバックスタンプがありません。

これをどこで買ったかというと、あの食器オタの楽園『合羽橋商店街』です。
角の、巨大なコックさんがそびえるビルありますでしょ。あそこのね、入口前のちょっとした敷地内にある安売りコーナー。
段ボール箱にどどんと大量に置かれていました。

ひとめで、ミルクグラスだと分かりました。
(恋愛モノのような始まり)
あの照り返す強い夏の夕日のような輝きも、吹き付け塗装のラスターであると瞬時に判明し、私の眼は釘づけになったんです。
これはもう、私を待っていたとしか思えません。

日々コーヒー専用機と化す

見渡すと、隣の箱に入った小ぶりの丸い器も同じミルクグラスでした。おそらくスナックボウルです。
ピーチラスターカラーの、マグとスナックボウル。
ノーマークだった合羽橋で出会うとは。

そんなわけで、その時は「ノーブランドだしとりあえず1個だけ」と思って連れてきたのが、今愛用しているこのマグです。

たまたま半年後に、また同じ巨大コックの支配する店へと赴いたとき。
あの時と同じ光景がそこにはありました。
「半年間、売れてないんかい!」
かくして、残ったノーブランドミルクグラスたちが、すべて私の手元に来たのでした。

で、ここで終わらないわけですね。
私はミルクグラス自体が好きなのでブランドだろうがノーブランドだろうが気にしないのですけども、それでも2~3年に1回引っ越しをしている我が家にはなかなか置いておけず、当時出店していた楽天市場のアメリカン雑貨店で販売することに。

目に見えないだけで、全国には同じミルクグラスによだれを垂らす民がいるものです。ノーブランドだけれど喜んでいただき、無事に売り切ることができました。
めでたしめでたし。

まだ続くんだけど。

時が過ぎ、愛用のグラスとの付き合いが15年近く経った去年の夏、ヴィンテージグラスを扱うネットショップのパトロールをしていた時、見つけてしまいました。

うちのヤツが、都内のある店で販売されていました。
タイトルにはなんと
『ジャネット社(JEANNETTE) ピーチラスターマグカップ』
との文字が。

は???え???
ってなりますよね。だって貴重な貴重なあのジャネット社ですから。
唐突に正体が分かってしまったわけですが、これは一度ちゃんと手に取って確かめなければという衝動に駆られ(この間5秒)注文。
その時に来たカップがこちら。

傷なしのラスター

おおう。同じやないかい。
無事に、うちのヤツの正体が判明いたしました。

このネットショップのオーナーもこの道長いはずなのに「(段ボール)箱にプリントされていたJEANNETTEの文字で初めて判明しました」とあり、やはりレアなカップだったのかと。
これはデッドストック品で開けられておらず箱ごと保管されていたから判明したこと。幸運としか言いようがありませんな。
オーナーさんすら、単品ではメーカーも分からなかったカップ、そりゃマーケットの違う合羽橋じゃあ価値が分からず、段ボールで叩き売られていますよね。納得。

悔やまれるのは、楽天で売りさばいたあいつらです。確か1,500円くらいでさばいた気がします。それでも利益が出るくらい、安く置かれてたんですよあの安売りコーナーに。
でも、それでもオタクの手に渡って本当に良かった。私は純粋にミルクグラスを愛するお客様に売ったんだと信じておりますよ。

中を見るの好きオタ

ではカップのデータです。
【商品名】ピーチラスターマグ(不明なのでなんとなくで)
【柄カテゴリ】-
【シリーズ名】-
【メーカー】JEANNETTE(ジャネット社)
【ブランド名】-
【製造年代】ジャネットが存在した1898年から1983年のどこか(不明なので)
【大きさ】高さ:9cm 直径:8cm
 【状態】購入当時はデッドストックのミント。愛用品はもうベリーグッドになりました。
【その他】ズドンとしててでかい。大量に飲める。吹き付けが案外剥がれない。

ふたりは仲良し

歴史あるものを使っていると、面白いことがありますよね。
それに、やっぱり私を待っていたと、時を経て思います。

先日書いた鎌倉のアメ車庫さんのお姉さんもおっしゃっていましたが、こいつらは、いずれ消えていく物たちなんです。なので、残していかないと残らない。ガラスならなおさらです。

ミルクグラスを今の技術で作ることはできますし、実際に現代版が出てますけども、同じではないんです。それは、オタクなら見れば分かる。明らかに、当時の風合いではありません。

なので、残していくこと、次世代に見せてあげて伝えていくことが、ミルクグラスオタの使命なのです。

そんなわけで、毎日愛用しているし、なんなら食卓の半分以上がグラスですけども、使いながら残していかねばなあという思いですね。
そんなことがありました。


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