雨音鹿子

Amane Kanoko 何を書こうか、迷ったあげくに連載小説を始めることにしました…

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Amane Kanoko 何を書こうか、迷ったあげくに連載小説を始めることにしました。 ブログでは投稿した後、プチあとがきのようなコメントを上げたり上げなかったりします。 https://kanokoxx.hateblo.jp/

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最近の記事

閃光 第四話 Arrest

 遠い昔。人類が月面着陸を果たして歓喜していたその頃から、彼らは火星への移住を目指し始めていた。  研究者の間ではそれが可能かどうか気が遠くなるような論戦と開発が続き、漸く誰もが「事実上不可能」と判じてからも、地球と同じ環境が備わっている衛星を探し求めていた。  そんな中、地球は突然崩壊へのカウントダウンを加速した。……いや、加速していることに人類が気付いた、と言うべきか。  きっかけは何だったのか――大気汚染か、公転周期の乱れか、地盤の歪みか、それは人類が引き起こした

    • 閃光 第三話 Hidden base

       無機質な白い建物から離れてしばらくは真っ平らな人工の足場が続き、端まで来て振り返るとそれが塔を中心にして円形に象られていたのだと分かる。先ほど銃を手にしていた大人たちと同じ制服を着た研究員のような人間と一人二人ほどすれ違ったが、どちらもカケルたちに興味を持つ風でもなく建物へと真っ直ぐ向かっていった。  改めて見渡すと夕日に照らされる小綺麗な街並みが眼前に広がっていたが、ヒューズは目もくれずにその街を迂回する。目的地の分からないカケルは特に異を唱えることもなくただ彼女の後ろ

      • 閃光 第二話 Far out

         夢から覚めたばかりのような倦怠感だったが、カケルは自分が横たわっているのが堅い床の上だと気付いてしばらく辺りを見渡していた。  真っ白な建物の中のようだった。先刻出会ったばかりの少女……ヒューズは、この部屋で唯一ぽつんと置かれている装置に向き合ってブツブツ呟いている。が、両手で頭を抱えたかと思うと、次の瞬間その機械を蹴り飛ばそうとして――腰の高さまである鉄の塊は彼女の向こう脛に無情にもクリティカルヒットした。 「いっってえ!!!」 「……」  多少呆れはしたが、こち

        • 閃光 第一話 First contact

           激しい雷鳴だった。  カケルは突然降り出した雨に慌てて家の外へ飛び出すと、すぐ隣の倉庫――父親が毎日籠もりきりになっている工房――へ走った。  とうに日の暮れた町は、それでもあちこちを街灯が照らし眩しいくらいだ。貨物列車の走る音を遠くに聞きながら、倉庫の2階へ続く外階段を上ると、扉に打ち付けただけの簡素な看板に【工房:STROBE】の文字。その斜め下には、今にも風に吹き飛ばされそうな「機械修理受け付けます」の張り紙がある。実際何度か飛んでいった後なので、その度にカケルが

        閃光 第四話 Arrest

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        • 閃光【連載小説】
          4本

        記事

          何のために生きてる?

          生きてる理由を探したくなる。 もしかして死んだ方が最良なのではと思ってしまう日だってある。 心配しなくてもみんな生まれた時点で死ぬことが決まってるんだから、わざわざ死ぬことなんて考えなくてもいいのに、それでも考えてしまう。 それは健全に生きている証拠だ。 人間が何のために生きているか、答えられる人がどれだけいるだろう。 専門家でもわからないようなことを、けれど、自分のことなら誰だって自由に決められる。 途中で変えたっていいし、別に無くていい。 何故かって、人間が生きている理

          何のために生きてる?

          ピラティスインストラクターを目指してみる

          本当はボルタリングでも始めてみようかと思ったんですけどね。笑 5歳から20年間、わたしはずっとクラシックバレエを習っていました。 やめてから3年ほど経ちますが、バレエが嫌でやめたわけではなかった。 他に趣味といえばゲームと少女漫画を読むことくらいで、仕事を好きになる気配はありません。 確実に体力は落ちてきているし、何よりメンタルの不安定な状態がずっと続いていることが気になっていました。 たまたま近くにボルタリングのできる所を見つけたので、休日行ってみるのもいいかなと考え

          ピラティスインストラクターを目指してみる

          ずっと考えていること。

          毎日、毎日、自分に合う仕事って何だろうかと考える。 今の仕事は、必要最低限自分に必要なお金を稼げるだけの職場で、今のところは減給もなく、賞与も頂いて、十分恵まれていると思う。 ろくに就職活動にも取り組まないうちに一社目で採用してもらえたのも、とてつもない幸運だったし、大学で就活相談に行ったその日に求人のFAXが来ていたというから巡り合わせが本当に良かった。 だけど、と思う。 もっとのめり込むように知識を獲得して、経験を積んで、実践していけるような仕事の方が私はもっと生

          ずっと考えていること。

          嫌な気持ちに、お疲れさま。

          やらなきゃいけないこととか 言われたくないこととか 自分が間違っていたこととかを言われる時って 胃の真ん中がグッて苦しくなって 何もしたくなくなるし すごくすごく嫌な気持ちになるし そこから逃げ出したい気持ちでいっぱいになる それって 自分の楽なところに流されないように 立ち向かってる瞬間ってこと だから グッと胃を押された気分を感じている それだけで私はちゃんと頑張れたってことだ だから 今日も一日、よく頑張れました。

          嫌な気持ちに、お疲れさま。

          インテリアを生活に合わせて最適化

          今日、カインズで折りたたみの机と椅子を購入してきました。 ほぼ一目惚れだったのですが、もともと「こんなのが欲しいな」と思っていたものとドンピシャだったので、びっくりするくらいの土砂降りの中お持ち帰りしました。 「こんなのが欲しいな」と思うに至った経緯について、メモ程度に残しておこうと思います。 小学校高学年から中学生ごろまで、私はパソコンに(というよりインターネットという世界に)どっぷりハマっている時期がありました。 家族共有のノートパソコンがリビングに置かれることに

          インテリアを生活に合わせて最適化