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鉱物備忘録

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今まで集めてきた鉱物についてただ語るだけのエッセイ。
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#私のイチオシ

No.37 エメラルド

No.37 エメラルド

中古で買ったエメラルドのルース。
ソーティング付きで色も透明感も申し分ない。ヒビや傷、インクルージョンは多めだが、それもまた味である。
ちなみにこのエメラルドにはソーティングにて「含浸処理あり」とのコメントがある。恐らくオイル処理がされているのだろう。
エメラルドは中にクラックが入りやすい。そのため椿油や重油をしみこませてクラックを目立たなくさせる処理、俗にいう「オイル処理」をしてあることが多い。

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No.33 アンダルーサイト

No.33 アンダルーサイト



アンダルーサイトの特徴である多色性がくっきりわかる良いルースだ。この一個のルースで渋めのグリーンと夕焼けのようなオレンジをメインに、イエローやブラウンなど様々な色合いを楽しむことができる。角度によって色のバランスが変わるので、見ていてとても面白い。決して派手な色ではないのだが、見応えは十分な美しいルースである。
私はアンダルーサイトが好きだ。
パイライトとスフェーンの次に好きだ。
元々ここまで

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No.31 サファイア

No.31 サファイア



青と黄のバイカラーなサファイア。くっきりとした色合いだが透明感もあり、光に透かすとそのグラデーションがよくわかる。
「あれ?サファイアって黄色もあるの?」と思った方もいるだろう。そもそもサファイアと言うのは宝石としての流通名で、鉱物としての正式な名前は「コランダム」と言う。コランダムは色によって宝石としての流通名が変わる鉱物である。ピンクっぽい赤色のコランダムは「ルビー」、ピンクっぽいオレンジ

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No.22 パイライト

No.22 パイライト



一見作り物のように見えるが、実は自然の中で採掘された正真正銘天然の鉱物である。
その証拠に、表面はぱっと見つるつるしているように見えるが、ルーペで拡大してみてみると細かい鱗のような跡が残っている。恐らく結晶が成長した時にできたものだろうと分析できる。仮に人工物ならこのような無意味で不要な細工はしないはずだ。
そう考えると「自然ってすげぇな」と常々思う。私は全鉱物の中でパイライトが一番好きだ。自

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No.20 スピネル

No.20 スピネル



情熱的な赤が凛々しいスピネル。光に照らすとその赤がより強調され、幻想的な神々しさも感じられる。大きさが大豆ほどで、当時900円で買ったものだ。
スピネルは200年前まで宝石として認知されておらず、特に赤いスピネルはルビーとして流通していた。化学組成がコランダムに似ている上にコランダムより美しく鮮やかな原石が採れやすかったため、勘違いしやすかったようだ。
のちに「スピネル」が鉱物として認知された

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