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No.20 スピネル
情熱的な赤が凛々しいスピネル。光に照らすとその赤がより強調され、幻想的な神々しさも感じられる。大きさが大豆ほどで、当時900円で買ったものだ。
スピネルは200年前まで宝石として認知されておらず、特に赤いスピネルはルビーとして流通していた。化学組成がコランダムに似ている上にコランダムより美しく鮮やかな原石が採れやすかったため、勘違いしやすかったようだ。
のちに「スピネル」が鉱物として認知された後も「ルビーの偽物」として扱われ、値段もルビーの半額で取引されていた。案外不憫な目に遭ってきた鉱物なのだ。
しかし近年はスピネルの良さが見直されており、特に海外ではルビーやサファイアよりも人気が高まっている。値段も今はルビーよりスピネルの方が高額で取引されている。
偽物と呼ばれていた鉱物が本物を超えた。
まるでドラマのような話である。
もしかしたらこの原石もあと少しタイミングが遅かったら、900円と言う値段では買うことができなかったのかもしれない。
【参考資料】
「価値がわかる宝石図鑑」
諏訪恭一 著
ナツメ社 2016年
「ネイチャーガイド・シリーズ 宝石」
ロナウド・ルイス・ボネヴィッツ 文
伊藤伸子 訳 化学同人 2015年
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