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鉱物備忘録

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今まで集めてきた鉱物についてただ語るだけのエッセイ。
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2020年10月の記事一覧

No.65 グロッシュラー・ガーネット

No.65 グロッシュラー・ガーネット



キラキラバチバチに輝くグリーンのルース。
少しインクルージョンはあるがそれを打ち消すほどの輝きがある。
実はこれ「グロッシュラー」という種類のガーネットなのだ。
「え?ガーネットって赤色じゃないの?」
と思う方も多いと思うが、実はガーネットは意外とカラーバリエーションが豊富で、緑だけでなくオレンジやイエロー、変わり種だとピンクや無色もある。最近ではアレキサンドライトのようにカラーチェンジをする

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No.64 スファレライト

No.64 スファレライト



少しインクルージョンはあるが見事なスファレライトのルースだ。太陽のような力強さがありつつ艶やかな怪しい魅力もある。
スファレライトは屈折率が2.4とダイアモンド並みに高く、その上分散光はダイアモンドやスフェーンを凌ぐ強さがある。そのため僅かな光でも豪華絢爛な輝きを味わうことができるのだ。
しかし、硬度は3.5〜4とかなり低くへき開も強い。そのためデニム地でこすると削れてしまうくらい脆い。その脆

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No.63 ジンカイト

No.63 ジンカイト



ジンカイト。
自然界でも存在する鉱物だが、この個体は自然で作られたものではない。
これはポーランドにかつてあった工場で亜鉛を作る際、その工場の煙突の中でたまたまできちゃった人工鉱物なのだ。
現在自然界にあるものよりも人工のジンカイトのほうが数が多いようである。ミネラルショーなどで出回るジンカイトのほとんどは先程の経緯でたまたまできちゃった人工のものである。
しかしできちゃった経緯が面白いからか

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No.62 ラズライト

No.62 ラズライト



深く濃い藍色のラズライトだ。一見色が濃すぎて黒っぽく見えるが、光に当てると夜空のような美しい藍色がくっきりと現れる。それだけでなくところどころ緑がかった部分もあり、まるで宇宙をぎゅっと凝縮して固めたような美しさがある。ちなみに和名は「天藍石」きっと宇宙のような神秘的な美しさから名付けた和名なのだろう。
この個体、かなり美しいのだが色が濃すぎて非常に写真写りが悪い。そのまま撮ると真っ黒になってし

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No.61 アルマンディンガーネット

No.61 アルマンディンガーネット



ただの黒い石のように見えるが、光に透かすとワインのような真紅色が現れる。このギャップが非常に萌えなアルマンディンガーネットだ。
だがしかし、黒っぽい。
この黒っぽさの原因はズバリ、中に過剰に入り込んだ鉄である。
鉄という物質は宝石業界にて嫌われ者であることが多い。サファイアやアクアマリンなどの鉱物にインクルージョンとして入り込むと、色が黒ずんだりくすんだりしてしまう。
もちろん対策として加熱に

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