「死ぬまでの限られた時間を、どう使うか」向き合った先。移住はただの手段だった。

「…死に様を、聞きたい」
「――生き様を、お話しましょう」

もう今から何年前なのか定かじゃないですが（調べたら16年も前でした…）映画「ラストサムライ」のラスト。

時の最高権力者である天皇（中村七之助）と主人公のオールグレン（トム・クルーズ）が誇り高きサムライ、カツモト（渡辺謙）の最期を巡って交わした会話です。

ほぼほぼラストくらいのとこだと思うんですけど、なんかこのシーンって「深いなあ…」と思って印象に残っていていまだに覚えているんですよね。

それにしてもあの「パーフェクト…」は最高（分かる人だけ分かってください…）。

今も進むカウントダウンの中で。

なんでこんな話をしたかというと、ちょっと前にMBC（南日本放送）さんに取材していただいた内容が先日の「MBCニューズナウ」で放映されたのですが。

あ、せっかく取り上げていただいてWebにも載っけていただいているのでリンク貼っときますね。もし興味のある方がいらっしゃればどうぞ。

加藤真守さん | やくしまじかん・あまみじかん 100人のメッセージ

ちょっと前のことだし、何しゃべったけかなあ…なんて思って、すごく恥ずかしい思いをしながら見ていたわけですが。

半分かそれ以上は、娘（with奥さん＆私）でした。

ええ。世の中大体そんなもんです。35歳の冴えないおじさんより、0歳で泣きわめく女の子のほうが画になりますからね…（笑）。

※MBCの関係者の皆様、編集大変だったと思いますが上手にまとめていただき本当にありがとうございます。

さて、本題に戻りますと。私としては奄美大島に移住した原点を振り返る良い機会になりました。

移住に至った基本的な判断軸は、自分が死ぬ時に後悔のない生き様だったと言えるかどうか。これに尽きるんです。

そして結局、生き様を決めるのは、死ぬまでのカウントダウンをどう過ごすか、自分の時間の使い方なのではないかと思っています。

移住は手段。そう割り切れたからできた。…のかもしれない。

よく「移住するから会社辞めるって（結果辞めてないんだけど）よく言ったね」とか「本当に移住しちゃう行動力がすごい」と言っていただけたりするのですが。

自分としてはすごいとは思ってないんですよね。変わり者だと言われればそれは認めるんですが。

というのも自分としては結構当たり前のことをしているつもりなのです。目的があって、その目的を達成するために行動した。というシンプルな構図。

つまるところ、「自分の限られた時間を、できるだけ自分が望むカタチで使うためにどうするか」という目的設定の上に立って行動しただけのことなんです。

だから、縁もゆかりもない離島に移住したとか仕事をどうしたとかは、その目的達成のための手段に過ぎないんです。

逆にいえばこれが「移住する」という目的設定だと、結構大変だったかもしれません。

たとえば「田舎暮らしがしたい」とか「地方に移住したい」という目的を設定したとすると。

そこに対して、「仕事をどうするか」とか、田舎に引っ越すことによるデメリットとか、そういう障壁が結構邪魔になると思うんですよね。

「そこまでして移住する必要があるのか」とか「なぜ田舎暮らしでなければいけないのか」とか考え始めるときりがなくなり、どんどん動きづらくなるように思えます。

そしてその先には、「目的と目的達成に向けて背負うリスクが見合わないかも」「そこまでリスク背負ってまでやりたいんだっけ」みたいなところで悩んで泥沼化する未来が…。

…容易に想像つきます。でも現実はこうなっちゃうパターン、結構多いのかもしれませんよね。

自分がやりたい何かのための、ありたい姿のための、手段が、移住。であればいいと思う

ということで。いずれは地方に移住したいと思っている方や、これから移住しようかどうか考えている方、すでに移住先を探し始めている方も。

「移住を目的にしない」ことをオススメしたいと思います！

といって私のように「自分の限られた時間…カウントダウンはもう…（ぶつぶつ）」と大げさに考える必要はないはずです。もっとシンプルに、

「自分が本当にやりたいこと」
「自分が将来なりたい姿」
「自分がこうありたいと思う未来」

それを叶えるための手段として、地方移住や田舎暮らしが最適解（だと信じられるの）であれば。

そこから先は、きっと容易く、うまく、早く、進むことでしょう。

もっと言えば、その後もし移住先でなにか起こったり、移住に失敗してしまったとしても。

「移住するために移住した」のではなく、「自分が本当にやりたい、なりたい、ありたい何か」のためのチャレンジであれば、その経験は無駄にはならないだろうと思います。

少なくともそう信じて、僕は今も暮らしています。