♯12 対話の技術
12回目の投稿となりました、天治郎です。お忙しい読者のために、本稿の要旨は以下の通りです。
「子どもは教師の鏡」とよく言われますが、率先垂範の心で、私たち教師自身が対話の力を磨くことが肝要ですね。
(1)対話について
先日、元筑波大学附属小学校副校長の田中博史先生の著書の1つである「子どもが発言したくなる!対話の技術」を久しぶりに読みました。第3章「対話力を磨く」に、以下のようなことが書かれています。
私は、田中先生の授業を3回直接拝見したことがあります。授業を拝見して思うことは、「本当に子どもを価値づける言葉掛けが多いな。そして、全員を参加させるしかけとしこみがある。」ということです。
また、第4章「対話の授業の進め方」には、次のようなことが書かれています。
子どもに考え、表現させたいならば、教師も常に考え続けていなければなりません。そういった意味では、予めどれだけの発問・問い返しを考えておけるかが重要です。また、その場で臨機応変に問い返していかなければなりません。
(2)発問・問い返し
私は、算数を中心に、以下の3つの発問・問い返しを、いつ、どのタイミングで使うか常に考えています。
①は論理を問うのではなく、考えの着想(発想の源)を問います。子どもの働かせた数学的な見方・考え方を言語化し、顕在化させます。そして、みんなで共有することで豊かにしていきます。詳しくは、加固希支男先生の「発送の源を問う」という書籍をご覧ください。
②については、気持ちを尋ねます。内容の吟味だけではなく、考えた背景や心情まで考えるようになります。共感的に考えさせていくことが、子どもの数理を引き出すことになります。子どもの「わからなさ」に寄り添うことができます。
③については、手を挙げた子に対して「今何に困っているの?」と聞けば、何らかしらの困り事が明らかになります。「何がわからないかわからないこと」も多々ありますが…。そうやって、いつもパッと発言できる子どもだけで進めるのではなく、困っている子にも尋ねていくことで、みんなが参加しようという気持ちになっていきます。
②と③は、田中先生が生み出したと言われています。算数だけでなく、どの教科等でも汎用性はあると思います。
さらに、「おわりに」では、以下のようなことが書かれています。
(3)おわりに
子どもの対話力を高めたいという想いは、教師の願いの一つだと思います。「子どもは教師の鏡」とよく言われますが、率先垂範の心で、私たち教師自身が対話の力を磨くことが肝要ですね。
【引用・参考文献】
加固希志男(2019).発想の源を問う.東洋館出版社.
田中博史(2019).子どもが発言したくなる!対話の技術.学陽書房.
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