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ダム怪談 青土(おおづち)ダム

この怪談はわたしが青土ダムのダムカード取得の際に体験した不思議な噺である。

青土ダムのダムカードとWARASHI
石碑をバックにするとWARASHIの小ささがわかる

滋賀県甲賀市にある自然のどかなロックフィルダムの一つだが、一方で過去にサラリーマンの方が自殺をされていたりと、自殺が何件か起きているようでそのために、青土ダムは心霊スポットとして知られる存在となった。今回はTeamsWARASHIと共に青土ダムの心霊検証を行いながら青土ダムの不思議だと思った箇所や心霊以外の魅力について語りたい。

対岸に見える白い建物が管理事務所

心霊ではないが補足説明として、つい最近伺った姉川ダムのダム管理事務所の職員さんから聴いた話だが、滋賀県のダムは石を積み上げるタイプのロックフィルダムが多い所以としては岩盤が脆く、ダム形成時の際には強固な土台が必要になってくるため姉川ダムのような重力式コンクリートダムは珍しい。道路形成時の際にやはり片方の岩盤が崩れやすい危険性があるため法面(のりめん)を形成した。その為に道路がある反対側には道がなく姉川ダムの堰堤を渡りきった先は行き止まりになる。

青土ダムの石碑

滋賀県のダムの特徴は余談として本題へ。

堰堤から眺める野洲川

写真には撮っていないが、堰堤の手摺にブラジャーが干されてあり、恐らくだが心霊目的に来た者達による質の悪い悪戯だろうと思われる。どんな場所であれど愚かな行いをする輩はいる。

堰堤より撮影

堰堤をゆっくりと撮影しながら果たしてどこが飛び降りる場所なのかというのを隈なく探しながら歩いていく。撮影時はたまたまダムの放流が行われていたためにカメラを片手に放流の様子を撮影されている方が平日の夕方であるにも関わらずちらほら見受けられた。

奥の穴から放流されている
奥に見えるログハウスは店である
青土ダムの案内碑

田舎だからこそ、閉店時間ははやい(汗)

道路側より撮影

コロナ禍はもう解除されたにも関わらず青土ダムのダムカードの入手方法は、管理事務所へ行き自動ドアを入ってすぐ左手に青土ダムのパンフレットとダムカードがあるのだが、職員との一対一の接触ができないようになっている。つまり、本当に用が無ければ対応しない仕様になっておりかつ、放流されている様子を撮影に来られた方以外の地元民らしき方があまりいない。平日だからというのもあるが、強いて言うならジョギングされている方がいたぐらいだろうか。ダム職員からの話も、地元の方からの話も伺えずに散策するしかなくなった。

堰堤より撮影

明るい時間帯のためか、いる気配は察知が出来るがハッキリとしたものがなかなか見えない中で刻々と時間が過ぎてゆく中で、ダムではないが青土ダムの管理事務所の入口から見て1番手前にある部屋の窓から40代から50代前半ぐらいのスーツ姿のサラリーマンの男性が顔を覗かせていた。

堰堤より撮影

その時点で青土ダムの管理職員だろうと思い不思議には思わなかった。しかし、顔を覗かせていた男性はこちらを見てはいることを目視確認した後に何処か違う部屋へ移動するかと思ったら違う。顔を覗かせまるで自らの存在を誇張したらいなくなっているのだ。まさかと思いもう一度男性がいた場所を見てみると今度は反対側の窓から顔を覗かせこちらをじーっと見ていた。

堰堤より撮影

となると窓の下へと潜り込み再度反対側の窓から顔を覗かせていたことになるが、職務中であることも考えればわざわざ何もパントマイムをする必要性がそもそも無い。ダム見学者がいるなあと思えばいる方向へ軽く会釈をするだけで良い。何も自らの存在を強くアピールする理由などは存在しない。

注意喚起の看板

また反対側の窓から同じように顔を覗かせ気づいたら消えてしまうが一度のみならず三回程は繰り返された。流石に繰り返し顔を覗かせるって行為に怪しさを感じた時に思ったが、人間果たしてしゃがみ込んだ姿勢で反対側の窓へ移動をしたのならば窓の大きさから推測すると移動をしている様子がみてわかる。ところが顔を覗かせた後どう移動したのかがさっぱりわからない。

堰堤より撮影

色々頭の中で一体どうやって消えたかのように見せかけ移動をすることができるのかと考えたときに、果たしてダム職員がわざわざこんな手の込んだマジックなど仕掛けるのかと思ったと同時に、ふと一瞬考えたことだが過去に青土ダムで自殺された方の霊魂があの建物の中にいたのでは?とも考えた。

堰堤より撮影

仮にもしわたしがみた男性の方があの世の世界の人間だとしたら、現れた理由は"ここにいるよ"ということだろう。今まで色々な自殺が実際にあった場所を見てきて目の当たりにしてきたことは、身が滅びてもなお身投げをしよう、あるいはしている方や、現れた霊魂の悪意性が強い場合だと、現れた際においでおいでと手招きをする、手や足を掴む等の傾向があるのだがわたしがみた男性は違う。

堰堤より撮影

男性は気づいて欲しいから現れたのならば現れた理由は孤独が故に相手にしてほしい寂しさから現れたと考えるのが筋だろう。いずれにしろ、勤務中のダム職員ならば疑問点が沢山残る。何で見学者の為に気づいてほしいアピールをする意味がわからない、そして2階には灯が点いているのにわたしが男性を見た1階には灯が点いておらず、また男性の動線も生きている方ならば明らかにおかしい。顔を覗かせたら瞬時で消え反対側の窓でも顔を覗かせるという動作はやはり仕掛けがないと出来ないことであり、ダム職員がダム見学者を楽しめるためのサービスならばここまで手の込んだことはしないと思われる。

注意喚起の看板
注意喚起の看板
堰堤より撮影

ダムの堰堤をゆっくり歩いて撮影をしながら色々頭の中で何が起きているのかを頭の中で整理をしていたときのことだ。WARASHIが自動検知で赤点滅ポ~ンと音が鳴ると"臨兵闘者皆陣列在前"(りん・びょう・とう・しゃ・かい・じん・れつ・ざい・ぜん)と九字切りをすると、顔を覗かせては消え反対側の窓から顔を覗かせる男性がWARASHIの九字切りの後に建物の窓をみるといなくなっていた。そして時折様子を伺いながら、動向を注意深くみるのだが現れる回数が減ったことがあからさまになった瞬間にこの世の方ではないとわかった瞬間だった。

野洲川の背後にあるのがダム管理事務所の建物

時たま思うことがある。ホラー小説のネタ探しのために心霊検証をしていたら、自分自身の考えが果たして正しかったのかどうか。幽霊とは見えぬ存在かつ科学的に目には見えぬ存在を立証するのは現代の科学では難しいがいずれは目には見えぬ存在が見える科学が発明されたらオカルトに対する見方も変わってくるだろう。今回体験したことは見間違いの可能性もあるし、ひょっとしたら楽しませたいがために手品をダム職員の方が披露してくれたのかもしれない。自殺があったということがネットサーフィンでは拾えない以上、改めて心霊に纏わる噂の根源について調査をする必要性がある。

(最後に)

放流中の様子
放流中の様子
放流中の様子
放流中の様子
放流中の様子

吐出口からの貴重な放流中の様子を撮影することができた。個人的にはダムカード取得が目的であったため貴重な瞬間を撮影出来てとても嬉しかった。また次回訪れた際には心霊の噂を徹底的に解明したいと考えている。

(おまけ)

宇曽川ダムのダムカードとWARASHI
宇曽川ダムのダムカードとWARASHI

少し離れた場所にあるが青土ダムと同じロックフィルダムの宇曽川ダムもおすすめ!心霊の噂はないので気分転換に是非訪れては如何だろうか?

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