大学生はコロナとどう付き合う? 〜なくなって困ったものとは〜
「イマドキの子は〜〜」と語られる若年世代はいま何を考えているのか?をテーマに、 全国500名の大学生と一緒に「エンタメ×若年層」事業をつくるAmaductioNが独自に調べた、学生へのアンケートをもとにした調査レポートを記事にしていきます。
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#1 となる今回は、「コロナとどう付き合う?」と題し、新型コロナウィルス感染症の影響で授業開始が遅れたり・外出を自粛しなければいけなかったりするいまの状況について調査しました。
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回答期間: 2020年4月10日〜12日,15日〜16日
回答件数: 231件 (男性32件/女性199件)
対象者 : 全国の大学生、大学院生
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【外出自粛の実態】 不要不急の外出を控える意識は”意外と”高い
Q1. 生活必需品の買い物などの外出を除いて、何日間家に滞在していますか?
直近1週間の【平日】について
半数以上が毎日家にいる、1〜2日だけ外出をしたという人も含めると約90%とほとんどのひとが外出自粛を徹底しているようです。一方、5.5%の人が毎日外出していると回答しています。このアンケートは4月10日から回答を募集しはじめたものなので、4月7日に緊急事態宣言後も外出していた人もいたようです。
直近の【土日】について
ずっと在宅していたという人はわずか10%、どちらも外出したという人が約7割いました。アンケート取得開始時から見て直近の土日は4月4日〜5日。3月最終の週末に発表された衝撃的な”外出自粛要請”から一週経ち、囁かれていた緊急事態宣言もこのタイミングではまだ出されていなかったことから来る気の緩みもあったのでしょうか。
Q2. あなたにとって「不要不急の外出」にあてはまるものはどれですか?
「友人と会う」「洋服などの買い物」「趣味関連のイベントに行く」が6割以上の人から選択されました。一方で「生活必需品の買い物・通院」についても極力回数は減らしたほうがいいと考える人もいるようです。
【メディア接触態度】 新型感染症に関するニュースを見るためにテレビ視聴が増加、人気アプリからも情報収集
Q3. 新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛以前と比較して、メディア接触頻度は変化しましたか?
テレビについては「増えた・やや増えた」という回答が7割なのに対し、ラジオ/新聞/雑誌については「変わらない」という回答が8〜9割という結果でした。
Q4. 新型コロナウイルス感染症に関する情報をどのメディアから入手していますか?
9割以上の人がテレビとSNSから入手していると回答しました。Q3のメディア接触頻度の変化にも現れているようです。
Q5. 新型コロナウイルス感染症に関する情報の収集にオススメのサイトやアプリ、SNSアカウントは?
[サイト]
厚生労働省や都道府県・市町村といった公的機関のサイトやニュースサイトに加え、NHKの特設サイトや山中伸弥教授による情報サイト、マップ化されたサイト、投資家の安川新一郎氏によるnoteを見ている人もいるようです。
[SNSアカウント]
毎日国内の感染者数を発信している河野太郎防衛大臣(@konotarogomame)や一般の医療従事者の方によるアカウント(@mph_for_doctorsや@KotaMaltaT)、U30世代に向けたアカウント(@noyouth_nojapan)が見られているようです。
[アプリ]
若年層に人気のアプリでも情報発信の工夫が実装されており利用する人も多いようです。ショートムービープラットフォーム「TikTok」ではタイムライン上に感染者数や死亡者数がわかる特設ページにリンクするアイコンを追加。位置情報シェアサービス「Zenly」ではアプリの地図上に感染者数と回復者数を表示しています。
【生活の変化】 ”おうち時間”を楽しむためのサービス利用や商品購入が増加、大学に行けなくて困る理由は多様
Q6. 新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛以降、利用を始めたアプリやサービスはありますか?
Web会議サービス「Zoom」の利用をはじめたという回答が多く見られました。ゼミやサークルの打ち合わせのためという他、外出自粛で友人との飲食の機会も減る中、コミュニケーションツールとしても活用されています。画面越しに杯を交わす"Zoom飲み"や、ビデオ通話しながらLINEのゲームマスターbotを使用して遊ぶ"Zoom人狼"なども楽しまれているようです。
また、「YouTube」や「Amazonプライム」などの動画配信サービスや、ゲーム関連を利用しはじめた人も多数いました。
その他、”家で料理をする機会が増えた”ためレシピ動画サービス「クラシル」アプリをインストールした、”アルバイトが減ったため”収入源としてフリマアプリ「メルカリ」を利用しはじめた という人もいました。
Q7. 外出自粛以降、購入したものはありますか?
「食料品」という回答が圧倒的に多く見られました。
「本・漫画」「ゲーム」や、Q6にあった動画配信サービスや電子書籍を閲覧するための「ガジェット」等の自宅での時間を楽しむためにものを購入したという回答も多かったようです。
また、この機会に資格の勉強をはじめるため教材を購入したという人もいました。
Q8. 外出自粛以降、なくなって困ったものはありますか?
授業の他に先輩の卒業式のような行事も含む「大学」関連の回答がもっとも多く集まりました。
続いて旅行・テーマパーク訪問などを含む「レジャー」や「サークル」といった回答が多く見られた他、「コンサート」や「アルバイト」がなくなって困っているという人も多いようです。
*extra なぜ「大学」がなくなると困るのか?
大学がなくなって困るという回答が多かったと聞いて、”イマドキの大学生って真面目なのか…”と意外に思った方もいるかもしれません。理由として寄せられたコメントをいくつかご紹介します。(一部言葉遣い等を編集しています)
[学業関連]
・春休み中にもゼミがあり、卒論を進めていく予定だった (東京未来大学 4年生 女性)
・シンプルに、勉強することができない (東京未来大学 3年生 女性)
[設備関連]
・研究室での実験などが一部できなくなり延期してる状態 (福岡大学 大学院生 女性)
・大学でしか利用できない裁縫器具を使いたかった (九州産業大学 2年生 女性)
[就活関連]
・実習やインターンが例年同様のクオリティを保って行うことができるのかわからない (筑波大学 3年生 女性)
・ESやWebテストの相互チェックができない (芝浦工業大学 4年生 女性)
・ポートフォリオの印刷やキャリアセンターの利用ができなくなった (東洋大学 4年生 女性)
[サークル関連]
・直接の新歓活動ができず(SNS等で実施)、サークルの存続に関わる (慶應義塾大学 4年生 女性)
・この時期にしかできない先輩の送別会がなくなってしまった (日本女子大学 2年生 女性)
[生活関連]
・急になくなってしまうと予定がなくなり、人と会う機会がなくなった (早稲田大学 4年生 女性)
・何もすることがなく、家に居なくてはならない (駒澤大学 2年生 男性)
・夏休みが短くなってしまった (椙山女学園大学 3年生 女性)
・講義がないとダラダラ生活してしまい、焦燥感に苛まれる (順天堂大学 3年生 女性)
Q9. 外出自粛により家で過ごす時間が増えた中で、ほしいサービスはありますか?
もっとも多くの回答が寄せられたのは「在宅バイト紹介」や「飲食デリバリー」といった日常生活に関わるサービスでした。飲食デリバリーに関しては既存のサービスで提供されているメニューに早くも飽きてしまったという人もいるようです。
また、「コンテンツ無料配信」や「著名人による講義」などの動画配信系や、自宅でもできる「運動レッスン」などの回答も多く見られました。
ユニークな回答としては下記のような意見がありました。
・スマホでも大人数が同時に映るビデオチャット[理由:既存アプリだと最大4人までしか同時に表示されないため](慶應義塾大学 4年生 女性)
・税金の仕組みや株の基礎知識などの講座 [理由:大人になってから知っておくべきものを時間のある今のうちに知りたい](慶應義塾大学 2年生 男性)
・スーパーの混雑具合がわかるサービス(南山大学 3年生 女性)
・ペット自慢対決アプリ [理由:ペットと過ごす時間が増えたため](南山大学 4年生 男性)
・2週間家にいたことを証明できた人のみが参加できるマッチングアプリ(駒澤大学 3年生 男性)
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今回の調査結果は以上となります。
結果をご覧になっていかがだったでしょうか?withコロナ時代の若年層を理解する上で一助になれば幸いです。
最後となりますが、この度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い回復と事態の終息をお祈りいたします。
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