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【パスタ打ちpart4】はじめての出張パスタ【タラコクリームパスタ】

最近知り合ったある人物の家で、パスタを打つ運びとなった。
いわゆる出張パスタ。今後こういう機会も増やせたら面白いかなと思う。


きっかけは、ある飲み会で軽い調子で私が

「ええ、パスタは実際どこででも打てます。粉と卵と、しかるべきボウルがあればね。」

と言ったこと。


「その言葉、しかと聞き入れたぞ。ぜひとも作ってもらおうか。」

そう言い終わるか終わらないか、気が付いたら私は見知らぬ部屋に立っていた。

「貴様ガパスタヲ打チ終ワルマデコノ部屋ヲ出スワケニハイカナイ。私ハオナカガペコペコナノダ。」

その人物は、よく見たら一匹のポケモンだった
いや、さっきまで人間だったのが何かの拍子でポケモンに変わってしまったのかもしれない。あるいは、この部屋の中ではだれしもポケモンなのかもしれない。

いずれにせよ、私はポケモンを少しも知らない。アニメもゲームも触れたことがないので、このポケモンを見たことがないし、名前も知らない。
ポケモンなのかどうかも、これを書いている今でも納得がいっていない。

ひとまず、ムラサキボコリ、と名付けることにした。
ポケモンを知らない私が思いつく、最大限ポケモンっぽい名前だ。

ムラサキボコリは、私が製麺する様子をずっと監視しているつもりらしかった。

私は製麺に適するデュラムセモリナ粉を常に持ち歩いているので、あとは小麦粉、卵、オリーブオイル、食塩と、ボウルと麺棒と包丁と秤があれば確かにどこででも製麺ができる。

ムラサキボコリの館には秤だけはなかったが、目分量で二人前を配合していく。今回は1:1の割合だ。

尋常ならざるプレッシャー。


卵2個、オリーブオイル適量、食塩小さじ2分の1
いつもの配合だね。

ムニムニと混ぜていきます。
自分の家ではないところでひとりで麺を打つのは初めて。
けど、麺をこねていると徐々に調子が出てきます。

ああ、製麺に場所なんて関係ないのだな。本当に。
僕はきっと本当にどこででも製麺できるのだろう・・・

「オイ」

あ、はい

なんでしょうか・・・

「コレ、イレロ」

これ・・・?

「激辛ノ舞妓ハンダ。アホンダラ。見タラワカルダロウ。激辛ニスルノダ。私ハ激辛シカ受ケ付ケヌ。」

いや、麺激辛はやばいっすよ・・・

「ッハ~~~~、ノリワルイヤッチャナ!!!」

こんなくだりがありつつ、さらに麺をこねていきます。
このムラサキボコリ、実はいいやつなのかも、、、?とか思い始めます。

「イイ奴ニ決マッテイルダロウ。私、音楽、ワカル。新世界交響曲、コンド演奏スル。」

え、まじですか。ドボルザークの?

「本当ダ。コンド、観ニコイ」

あ、はい、行けたら行きます

「ソレ、ゼッタイコナイヤツダロ!」

「オイ、カクスナ!!!」

ムラサキボコリ氏は現在社会人3年目。某大企業に勤める傍ら、趣味でファゴットを演奏している。筆者はこんな演出で書いているが、実はまともな大人である

メディアって、こんなもんなのかもなあ・・・。などと感傷に浸る筆者。


・・・・・・ところで、今回、ソースはどうするのでしょうか。

「アア、ソノ点に関シテハ、心配イラナイ。貴様ニ作ラセルコトハナイ。」

あ、作ってくれるんですね。

30分きっかり待ち

ここからは麺棒の出番です。

「アニメ、観ルカ」

あ、いや、観ないです。

「観テオケ。役ニ立ツ。」

あ、ありがとうございます。

ムラサキボコリ氏は、ポケモンに限らず、銀魂など、この世代の若者がだれしも通過するであろうポップカルチャーを、ちゃんと網羅しているようだ。

ついでに紅茶も頂きつつ、さらに伸ばしていきます。

かなりの集中力でこねると、過去最大級に巨大になる生地。
必ず視界に入ってくるムラサキボコリ。
紅茶うめえな。。。

三つ折りにした生地を麺にしていきます。
始めたての頃に比べて、だんだん上手に切れるようになってきました。

隙あり!!!!!!!

「ギャアアーーーー!!!」

なんてやり取りも。。。

最後にはすっかり仲良くなったところで

麺の完成です!

さて、今日のソースはなんなんですか?

「タラコクリーム、ダ」

おお~~~

水揚げされた麺を

投入します。そして・・・・・・・

完成!!!!!

ソースはムラサキボコリさんがちゃちゃっと一瞬で作ってくれました。
すごい生活力です。

麺、いかがですか・・・・・・?

「ウム、美味デアル!!」

よかった~~~


と、いうわけで出張パスタ成功です!
ひとんちでパスタ作るの、ちょっとスリリングで楽しいですねw
やや味を占めてしまいました。

次はあなたの家に現れるかも・・・?

というわけで今回はおしまいです!
次回おたのしみに~~~

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