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2022年7月の記事一覧
#10 仲直りお好み焼きに来た
前回の続き。
道頓堀に着いた。
君とここに来るのは2回目だ。
店員さんに案内されて奥へと進んでいく。
席に着いて二人で好きなお好み焼きを注文する。
恋人が鉄板を写真に収めた。
「今Kに『仲直りお好み焼きに来た』
って送りました笑」
恋人、なんか嬉しそう。
ほどなくしてお好み焼きの素が運ばれてきた。
混ぜて混ぜて鉄板に流す。
焼けるまで待つ。
「ごめんね、俺の誕生日タイミング悪くて。
プ
#9 分からなくなっちゃいました
前回の続き。
「お腹膨れてるせいなのかなんなのか分からないけど緊張しますね」
「うん」
恋人は座椅子に座って横を向き、
僕に背を向けたまま話し始めた。
「一日一緒に過ごして、
自分の気持ちが分からなくなっちゃいました」
「だってあなた絶対幸せにしてくれるし」
「温度差があるっていうのは最初からずっと思ってたんですけど」
「●●さんが言ってることも分かるんですよ」(会いたいとか好きっ
#5 忘れてしまうくらい
前回の続き。
コメダを出た僕らは車に乗った。
僕は再びback numberを流した。
「あのね、
先週兄ちゃんとカラオケ行った時に
二人で青春パンク歌ってたんだけど、
カラオケ終わる頃に兄ちゃんが
『これだからいつまで経っても
back numberが歌えるようにならないんだよ』
って言ってて分かる〜〜〜!!ってなった。
それで、そろそろ聴いてみようかなって
思ったんだ」
#1 こうなること分かってた
15(金)夜、恋人からのLINE。
こうなること分かってた。
とうとう来ちゃったか。
自分の人生から恋人がいなくなる。
恋人は僕の心にすっと入り込んで、
なんの違和感もなく居座っていた。
一緒にいていつも落ち着いていられた。
本当に気を遣わずにいられた。
優しくて可愛くてスタイルがよくて、
僕にはもったいないくらい素敵な人だった。
こんな素敵な人がこの先の人生に現れるだろうか。
僕は今後の人