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小説(1分以下)

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小説(1分以下)
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2024年1月の記事一覧

20秒小説『ペヤング』

TV「ニュースです。米誌ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスクは、緊張する世界情勢や、高度な人工知能の登場、気候変動といった脅威を分析し、人類滅亡を午前0時に見立てた"終末時計"の残り時間を"90秒"と発表しました」

俺「おいっ!湯入れたばっかだぞ」

10秒小説『間』

亀「助けて頂いて、有り難うございます」
太郎「いえいえ』

亀「なにか?」
太郎「いや、別に……」

亀「あ」

太郎「……」

亀「やっぱ、あれですよね……」
太郎「あ、いや、そんなつもりじゃあ……」
亀「ごめんなさい。気がつかなくて」
太郎「いや、ほんと全然……」
亀「助けて頂いたお礼に、竜宮城にお連れしましょう」

太郎「そう?じゃあ……お願いしようかな」

10秒小説『理解』

「君に足りてないのはホウレンソウだ!」
 上司に指摘され「野菜不足?」って一瞬思っちゃったよ。笑えるよね。でも違う。"ここぞという時には普段以上の力を出す!ポパイみたいに"深いなぁ。
 決めた!誰の力も借りない。何事も自分一人でやりきる!

10秒小説「水馬」

 老夫婦が橋の上から川を覗いている。お婆さんが「今日はアメンボしかおらんねぇ」と言った。お爺さんは何も言わない。
 父親を亡くしたばかりの僕は、母を想って涙ぐむ。

5秒小説「過剰」

「今、私の胸見たでしょ!?」
「見てないよ」
「ウソ!絶対見てた」
「いや、興味ないから」
「え?インポってこと?」
「はぁー?!」

30秒小説『テナント』

30秒小説『テナント』

「こなださ、むっちゃ面白いことがあってさ」
「なになに?」
「隣町の例の廃ビルあるじゃん?」
「うん」
「あそこ通りかかってたらね。声がするわけビルの中から、で近づいてみたら、ぼわーと何か白い――」
「ちょっと待って!それ怖い話じゃない?」
「最後まで聞いて!で近づいてみたらなんと小僧寿しなのよ」
「は?」
「小僧寿しが、ぼんやり光ってふわーと宙に浮いてたの。むっちゃ笑えない?」
「いや、怖いよ」

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2秒小説『誤解』

「あ、そこにご飯粒付いてるよ」
「え?」
「取ってあげようか?」
「きゃー!セクハラー!」

30秒小説『目指せCEO』

「君の彼氏になりたい」
「ごめんなさい」
「そっか……じゃあ友達から――」
「それも、ごめんなさい」
「え?まじか……」
「でもアンバサダーなら」
「アンバサダー?」
「ええ」
「それって友達以下なの?」
「うん、でもカスタマーエンジニア以上だよ」
「カスタマー?何?」
「エンジニア、ちなみにタカシ君がそう」
「え?あいつカスタマーエンジニアなの?」
「うん、そう」
「じゃあ俺、あいつより上ってこ

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10秒小説『まだ』

「すいませーん。この単行本、ちょっとだけ中見ちゃだめですか?」
「すいません」
「買いたいんだけどなぁ、もう買ったやつかなぁ……」
「あ、この巻は、主人公の恋人が実は敵のスパイ――」
「ちょっとぉぉぉお!」

10秒小説「どん」

どんっ!
「あっ、ごめんなさい」
「いえ」
「大丈夫ですか?わざとぶつかったんですけど」
「え?」
「痛くなかったですか?」
「いや……ちょっと痛かったです」
「良かった。じゃあ」
「え?」

「え?」

30秒小説『設置』

「”ピザ”って10回言って」
「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」

・ ・ ・

「いや!どこ?」
「え?」
「いやだからどこよ?」
「どこ?ここのこと?高円寺だよ」
「じゃなくて!『ここは?』って言えよ」
「ここは」
「いや、ちゃんと指さして!」
「指さす?どこを?」
「いやだから、ここだよ!」
「ヒザを指させばいいの?」
「違ーう!ここはヒジっ!」
「くそー、ひっかけかぁ」
「俺はひ

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1分小説『芸術』

「そう遠くない未来、あらゆる芸術の作り手は、人間から高度なAIに、なり変わっていることでしょう」
「そんなことがあり得るんでしょうか?確かに博士が冒頭で述べられたように、多くの労働を人工知能が担う世界になりつつあります。しかし芸術は労働とは違い人間のエモーショナルな部分によってなり立っているわけで、感情を持たない人工知能に観る者を感動させ得る作品を作り出すことが、果たして可能でしょうか?」
「感情

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30秒小説『それでも僕は変態する』

30秒小説『それでも僕は変態する』

 しなだれた枝先に種だけ残しじゅるりと果肉音も静かに水溜まり途切れ途切れの波紋群がるオタマジャクシ。

「きゃっ!あんた今触ったでしょ!」
「え?俺?」
「あたしの身体触った」
「触ってねぇよ」
「嘘!股間を押し付けてきた!」
「股間?まだねぇよ!言い掛かりは止めろ!」
「出ていけ!」
「そうだそうだ!」
「オスになる予定のオタマは出ていけ!」
「え?ここってもしかして?」
「女性専用水溜まりよ!

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50秒小説『圧力』

「言うことを聞かないとこの卵を割ってしまうぞ!床に叩きつけてやる!いいのか?お前の大事な卵が、出汁巻きにもオムレツにもなれずに生ゴミとして廃棄されても?そんなに堅くなるなよ。リラックスしろ。強情なやつめ!もっと柔軟になれ!」
「おい吉田!何してる?」
「あ、はい。3番テーブルの鳥の唐揚げ作ってます」
「何ぶつぶつ言ってたんだ?」
「あ、はい。"ちゃんと圧力掛けろよ"って言われたんで」
「圧力?……

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