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或虎
2024年3月23日 08:42
まず油揚げを買ってきます。がんもどきでもいいです 机の上に置きます。椅子の上でも構いません。 後は認識するだけです。「これはキーホルダーなんだ」と 自由の女神?エッフェル塔?ちっぽけな作り物なんて要りません。実物そのものをキーホルダーにしましょう。なんならヨーロッパやアメリカ大陸をキーホルダーにする事だって可能です。 この制作方法の素晴らしいところは、質量を持たない物もキーホル
2023年8月1日 01:45
透明な箱に緑の文字が張り付けられているそのすぐ横で、僕は千円札を店員に渡しコンビニの喧騒に耳を傾けていたのだが、ふと、透明な箱の中で小山を築いている惨めなジャックポットに視線を取られ、そこに一枚の異質な硬貨を認め息を飲み、鼠のような笑みを口端に浮かべ「誰だこんなところにスロットのメダルをいれたのは?」と辺りを見渡しこそはしなかったが、X氏の後姿を脳裏に描いて、このメダルが――その見たような見ない
2022年7月14日 22:31
河原に腰掛け、集めた小石、端の方から一つ取っては、スナップ効かせて川面に投げる。 失った友。 去った恋人。 亡くした親のことなどを想い。 秘蔵の平べったい石コレクションを、夕陽で味付けされた赤スープに向かって、ひたむきに投げ続けていると僕は―― 石一つ投げるたびに僕は――自分の体積が少し失われていくかのような感覚になって――つまり僕は、石一個投げると、石一個分の僕が、川面を跳ねて跳ね
2023年7月19日 23:58
えー毎度馬鹿馬鹿しいお笑いを一席紫陽花に一粒の露がありましてぇそいつが朝日を浴びてきらきらと輝いております光沢のある透明とでもいいましょうか空の色まねをしている紫陽花の萼をお座布に落語家のように座っておりますとそこへ一寸ばかりはあろうかという蝗がやってまいりましただいぶ歳古い蝗のようで気門からしゅーしゅーと息を漏らしながら命からがらといった様子でよじ登ってきて露のおります萼の上
2023年8月10日 02:14
枕に涙腺を埋葬した。もう泣くことなんてないだろうから、涙腺は死んでいい。笑顔が浮かぶ―― 小さい頃砂場で遊んだ友達皆の笑顔。水色やピンクのスコップで、穴を掘り、山を盛り、あれはまるで……一人一人が自分の墓を作っているようだった。緑に塗装されたコンクリの壁が砂場を囲っている。塗装はでこぼこしていて、所々剥げていて、でも僕らにはそれが地平線だった。実際にそこに陽が沈んでいくのを何回も見たからね。
2023年8月10日 23:21
飲みかけのまま冷めている踊らない会議人生が50分失われた実感マスクに滞留する溜め息走塁拒否のボールペン全身の細胞が複数個壊死葬列するゴルジ体飲みかけのまま冷めている置き去りの缶スペースコロニーの模型缶の中透かし見れば三分の一が黒く三分の二が黒いその境目に国境はなくシームレスな闇夜と宇宙くらい馴染んでいる『えー、ですから来期こそは』喉を焼き尽くすほど熱い闇