1月5日「ギリギリで逃げなかった」

10時45分から歯科医院の受診。アルプラゾラムが効き出す時間を考えると、9時には起きて、即服用しておきたい。となると、7時間睡眠で考えると、前の晩は2時までに寝ておかないといけない。布団には入っていたが、いつもよりは寝付けず、途中で目が覚めても何とか寝よう、布団から出まいと思いつつ、気が付けば6時間30分、とても浅い眠りだった。

アルプラゾラムを0.6mg口に放り込み、歯科医院に向かったものの、騒々しい工事現場を通過し、バスの中では混雑と運転手のバス停通過&逆ギレを体感し、受診前に瞑想しようと思った公園のベンチは前夜の雨で座れない。睡眠不足の具合の悪さを完全に引きずりながら、早めに医院到着。

出かける前、手のひらに「答えなんかない。よし、行こう。できるところまで」と自分を奮い立たせる言葉をマーカーで書いたが、歯科独特のチェアに座った瞬間、「あぁ、ここまでかな」と思った。これだけ体も心も重たい状態、だるさと緊張でギリギリの状態で、歯科恐怖により、おそらく15年は静脈麻酔・全身麻酔での治療、要は事実上意識がない状態でしか虫歯の治療をしたことがない私が、普通に治療を受けるのは無理だろう、と。

出かける前にもちろん歯を磨くが、医院に着いてこっそりチョコレートを噛んだ。私の気分転換の術だが、焼け石に水に終わりそうだった。

しかし、逃げたくなかった。治療に怯える日々を後に回したくなかった。緊張を察した優しい先生たちから「どうしましょうか」と尋ねられ、「…やります」。

歯科恐怖の患者はお手の物の先生たちは、うがい休憩を挟みながら、丁寧に治療してくれた。途中でトイレに行き、緊張もろとも流してきたのも今振り返ると良かったと思う。「大丈夫かな」という気持ちが「行ける」に変わった瞬間から、口を大きく開けたり、手の力を抜いたりすることもできた。嘔吐反射はあったが、なんとか最後まで耐えられた。

仮の詰め物が取れた部分にあった小さな虫歯を削り、詰める治療は終わった。先生たちとしてはもう少し削りたかったようだが、「100点満点だと80点。頑張りましたね。麻酔なしで一番奥の歯の治療ができたのは前進ですよ」と言ってもらえた。

今日は自分を褒めたい。よく頑張った。

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